大関昇進が決定した安馬(あま)関の新四股名・日馬富士と書いて“はるまふじ”。語呂はとてもいいけど、“日”で“はる”って読みはアリなのか?と思って漢和辞典で調べたら、ちゃんとあるんですね。当用漢字としてはジツ(当日、元日)、ニチ(日曜、日常、今日)、ひ・び(朝日、夕日、日頃)、か(二日、三日、四日…)ですが、人名漢字としては“はる”とも読む。ひょっとしたら、リアルに男の子で日馬と書いて「ハルマくん」って日本のあちこちに居るかもしれない。
おもしろいことに、“日”で“あき”とも読むらしいですよ(三省堂新明解漢和辞典第四版)。“明”から“月”がなくなっても“日”だけで「あかるい」「あける」からでしょうか。
“日”より“月”に縁のある月河としては、思わず“月”は人名漢字では?と調べずにいられませんでしたが、当然“あき”とは読まず、当用のゲツ(月曜、満月)ガツ(正月、一月、二月…)つき・づき(月見、皐月、卯月)以外では“つぎ”と読むだけ。
“つぎ”と読む人名漢字には次・乙・二(『華麗なる一族』で相武紗季さんが万俵“二子=つぎこ”を演じていましたね)・亜・弟・承(皇族の高円宮承子女王は“つぐこ”)・続…などがあるので、“つぎ”としての“月”の意味もだいたい想像がつきます。
それはともかく、新大関・日馬富士関はモンゴル・ゴビアルタイ出身。モンゴルと言えば受験の世界史を何度賑わしたかわからない東アジア騎馬遊牧民族の雄。日本の“日”に騎馬の“馬”、そこへ師匠伊勢ヶ濱親方の現役時代の四股名・旭富士に由来する日本一の山“富士”と付けば、いよよますます強くならないわけがありません。
“日”はゴ“ビ”砂漠のビでもあるのかな。
新大関の相撲は、最近めっきり安定感を増してきた中にも、「何か突拍子も無いことをやってくれそう」というワクワク感にも依然満ちている。ここらが魅力でしょう。
新四股名決定の一報を伝えた、今朝の『スーパーモーニング』で赤江珠緒アナが「馬は残りましたねー」と言っていたのがおもしろかった。モンゴルでは馬は家畜と言うより、家庭の一部だそうです。
“安馬”の字並びを見ると、競馬ウォッチャーとしてはつい“高馬(たかうま)=有名血統、有名牧場産でウン億、ウン十億円で売買された馬”に対する“安馬(やすうま)”を思い浮かべてしまい、昔で言う抽籤馬か?タカツバキかイソノルーブルか?はたまたコーセイか?ミヤギロドリゴか?いや暮れの雨の阪神牝馬特別で穴を空けたユーセイフェアリーもいたぞ…等と脳内をドカドカドカドカと蹄音が往来して仕方がなくなるので、改名は大歓迎です。
年間グランドスラムを達成した後の06年辺りから、横綱朝青龍の集中力が思いのほか急速にダウンしつつあるので、新大関の“もうひと声”は結構早いかもしれません。もちろん日本人、欧州勢も負けずに張り合ってほしいものです。