イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

人をパンみたいに

2007-11-19 15:51:03 | アニメ・コミック・ゲーム

大幅に出遅れてしまいましたが、119日放送の『爆笑オンエアバトル』ももう一度振り返っておきましょう。

月河が同番組レギュラー視聴復帰して以来、いちばんオンエア回数観ているんじゃないかと思う、ここのところ抜群の安定感を誇るハマカーン509kbを筆頭に、25位はすべて400台。一応、粒揃いだったと言えるかもしれない。

ハマカーンの好調は、ネタ質のアベレージはそこそこでも、何より浜谷・神田2人いることで、その関係性が醸し出す空気”が客にわかってきていることが大きいと思う。

流れ星や三拍子同様“悪友コンビ”っぽいんだけど、たとえば神田は教室で、ウケよう面白がられようと思って、前日からいろいろ考えてネタ仕込んで来ちゃうようなタイプ。なんなら視力いいのにダテメガネかけてきたりして(実生活はどうかわかりませんが、“ダテ感”の強いメガネだと思う)。

ところが休み時間に自身満々でそれを繰り出すと、なぜか食いつきいまいちで、大したことやってなくてへらへらしてるだけの浜谷のほうが持って行っちゃうんだな。「あれーなんでだろう?オレのが面白いはずなのに…そっか、アイツと組んじゃえばいいんだ」と、神田から「なーオマエさぁ」と持ちかけて、浜谷は「コンビ?いっけど?」と半笑いでそれに乗ってるみたいな空気がどんなネタやっても漂っている。

神田は微量ひそかに必死、浜谷は半分へらへら。お客さんが、彼らのネタの背景にある関係性のパラダイムをわかってきてくれているので、笑い所がつかみやすい。

この回の修学旅行ネタも、得意の“男子校→女子校”をしっかり入れ、「日本人の礼儀」を「京都の流儀」へエスカレートさせ、“清水寺”を1回振って回収するなど実に遺漏なくまとめてあった。チャンピオン大会への勢力図とは別に、現時点でのアベレージ上位組の中で、2人の(観客から見ての)関係性が鮮明な分、オンバトを出てバラエティのコーナーMCやクイズ、パネラーなどで、特に東京発の番組ではいちばん使いでのある組でしょう。

神田愛花アナとのネタ後トークのオンエア率が高いのにもよく表れている。ネタ演らなくても、2人いるだけでなんかおもしろいことになりそうな予感がある。ピンではないコンビの芸人として、これは貴重です。

よく学校ネタ、子供時代ネタやるけど、2人とも三拍子やトータルテンボス、流れ星ら、ほかの“悪友調”コンビとは明らかに毛色の違う“坊ちゃん学校出”っぽいのも強みです。

2481kb超新塾は、今回初めてタイガー以外の3人がグラサンを外しました。コブラの嘆きに他メンバーが乗る、いつもの振りでいつもの流れなんだけど、最初の医者ネタから次のセコンドネタに入る流れが近来になくスムーズだったのと、クロージング寸前の椅子取りゲームでガツンと上げることができた分の高得点だと思う。それこそデカレンジャーじゃないけど、まさに“5人”というアタマカズをまるごと強みに変換した見事な締めでした。

しかし月河はネタ本編より、冒頭のオンエア名乗りで、さくらんぼブービーの後ろでテレ笑顔ガッツポーズで見切れていたドラゴンに笑ったな。グラサンオフの件も含め、なんとなく“俺らの定番”からもぞもぞ蠢いて弾け出す胎動感も今回はそこはかとなくあり、次オンエアへの期待をつないでくれました。

3449kbBコースも、マンネリっちゃマンネリの昭和ドタバタ。もうカマネタもあんまり何とも感じなくなった自分が怖い。クチ三味線の『クシコスの郵便馬車』が懐かしかった。確かに運動会なんかではあの曲定番でしたね。アクションや黄のハブの顔芸・奇声に頼らない、台詞で積み上げ盛り上げる系のネタも見てみたい。

久々挑戦さくらんぼブービー405kb4位。「カジくーん」で始まり「カジくーん」で締めるショートコントつなぎで、ラフ&ワイルドな芸風をきれいにまとめましたが、一部にとても高評価なわりに、この人たち“汲めども尽きぬ才気と着想”よりは、その場その場の“焼き畑農法”に見えるんだなぁ。

「こんなのがいつまで(飽きられずに)続くか」つながりで言えば、「カッキーン」武勇伝を引っさげて『笑いの金メダル』『エンタの神様』辺りに来た頃のオリエンタルラジオのほうが、調子に乗りまくった勢いの分、まだしも“底つき感”が少なかった。

405kb。オンバトでよくここまで取ったなとさえ思える。こういう芸風の笑いは、ワイルドだシュールだ型に嵌まらないのが魅力だって言われてる山だし骨太のうちに、ある程度型に嵌めとく努力も必要かもしれない。ここまで底が割れてからやおら洗練の方向に向かっても痩せるだけのような気も。難しいところに来てしまいました。

ギリ400台で5ななめ45°401kb。設定はとてもユニークだったのに、“マラソン優勝者より先に完走ゴールしちゃった追っかけと警備員”といういちばんの笑わせ眼目が中盤で明らかになってしまう構成で、あらかた損した感。出だしで設定を呑み込ませるまでにだいぶ時間を消費したし、「オマエらのせいでオリンピック怪しいんだかんな」「オマエらどんだけ元気あんですかー!?」などのくすぐりがぜんぶ“理由のわかった後なぞり”になってしまった。そこんとこが最後にわかるような書き方にできなかったものかな。

この回はオフエアの6エンジョイワ→クス349kbだけが300台で、710位は全組200台。エンジョイはホスト風セミショートだったツッコミが刈り上げに野球帽で、ネタ順抽籤時も敗者コメントでも明らかに本調子でない顔色。「本物ではないな」オーラを会場審査員も感じたのでしょう。

今回に限って特に惜しい、もったいない、是が非でも見たかったと思われる組はオフの中にはいませんでした。ある意味後味のいい回でもあった。

チャンピオン大会目標の組はそろそろ追い込み。頑張ってください。

コメント
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