一昨日の続きじゃありませんが、髪型と言えば、『爆笑オンエアバトル』(10月26日放送)のえんにち。
刺青柄シャツに、ミニテーブルとしても使えそうなくらいフラットトップなアイパーのボケ滝沢。ネタ後トークなどよく見て髪型と剃り込み眉を割り引くと“狂犬”“若頭”の名をほしいままにしていた頃の(?)極楽とんぼ加藤にも似ていますな。コワモテが明らかに地じゃないとわかる愛嬌がこぼれまくっている。
もーもたろさん桃太郎さんの替え歌で歌詞が過激になりそうになると♪ホンホホンホホ~ が待ってましたのトレードマークになりそうで、そこらへんの昇り勾配を買われての最高kb(509)だろうけど、ブレイクしてもこのいでたちで、このキャラで雛段バラエティとか出続けるのかと思うと、ちょっと“消費されたがり過ぎ”“特徴出し急ぎ”な気もする。
ネタも我が家あたりの“もし○○が△△になったら”の亜流にとどまっています。チャンピオン級を目指すならステップ・ジャンプが要るでしょう
ネタのストーリー性と言えば2位473kb東京03。今回はちょっと爆発性に欠けたけど、「日本勝ったみたいに思われてるみたいだけど、逆に大丈夫ですか?」「あーゼロだ、ゼロんなりました、お上手だ(握手)」や、「言っちゃって、面倒くせえよこの立場」「早送りで見ろ」など、いつも角田←→豊本両極で“振り回され担当”の飯塚が節目を作る流れが楽しかったし、浅い時点でどう見ても“日本勝った”のが読め読めなのに「真っ白で見たい」と角田がリキみ続ける情けない可笑しさが実にいい。この人たちのネタ毎週見たいなあ。
3位437kb大輪教授は冒頭の円錐切りがちょっと以外だった。ああいう、動きやモノマネでの笑い取りはいちばんやりそうもない人に見えていたので。「9㍑でも重油」で前段の数字の2のガチョウを持ってきたところがよかった。つかみの「ひきわりもあるよ」が結構来たのに、オチに持ってきた♪見つからないときの不幸せ~ はあまり落差がつきませんでしたね。
今日は歌に乗せることで、“次何が来るか?”期待を持たせる流れを作ったのが勝因。
4位369kb恋愛小説家は初見でしたが、次長課長がやりそうなネタだなという印象しか残らなかった。ボケがヅラやメイクやヘン顔ヘン声に頼らないネタを見てみたい。
僅差5位365kbジェニーゴーゴーは、同じゆる系漫才・風藤松原の6位341kbと食い合ったか、逆にネタ見せ順が後だった向こうの不振で相対的に浮かび上がった感もあり。ゆるいのは魅力なんですが、ゆるいのとメリハリがないのとは違うと思う。
「山に、着きましたー」のチカラワザと「かりに海だったら」がストーリーの上昇合図になる作りのネタなんだけど、たとえば「なんでクマが微妙な顔でどっか行っちゃうんだよ」とツッコンだら、「ヘビに用事があったらしいよ」「さっき撃退されたヘビと待ち合わせかよ」みたいな(←適当)くすぐりや小ネタのたたみかけ密度を上げて、客を笑い休ませない工夫が必要。
予告を見ると今日11月2日の放送は、挑戦者の面子が差し合ってもったいないくらいの実力者揃いです。今日は早めに就寝しなければならない日なのですが、実にもったいないな。
『愛の迷宮』第24話は、施設で暮らした幼い日の淡い初恋が忘れられず、冷徹なビジネスの鬼となった拓真(阿部進之介さん)の心を開かせようとコンペの作品に打ち込むゆりあ(黒川芽以さん)の奮闘が続いていますが、ルームシェアのアラレちゃん眼鏡・久美子(菜葉菜さん)と2DK?のアパートで繰り広げる、
「カボチャの馬車で王子さまに会いに行っても、現実はめでたしめでたしで終わらないのヨ」
「えーそうなの?夢から醒めて馬車がカボチャに戻っても、王子さまはガラスの靴を持って探しに来てくれるんじゃなかったっけ」
「私の王子さまはそんなに甘くないのヨ、私がお城にガラスの靴を忘れて行ったことさえ気がついていないもん」
「だったらやっぱりガラスの靴を自分で探しにお城に行くしかないわね」
…(中略)…
「やっぱり私には見つけられないのかしら、あの人の心のドアを開く鍵」
「まー歩けば歩くほど道に迷うのよね、恋のラビリンスは」
……久美子もゆりあも、こういう暗喩に満ちた、ポエムなやりとりを成立させられるヴィジュアルしてないんだよね。そういうキャラに描かれてもいない。
これ、目いっぱい頑張って想像力背伸びしても、『金色の翼』の修子と理生、というよりいっそセツと静江のやりとりだろう。物語世界とキャラと俳優さんと、ひとつひとつバラッバラ。なんかちょっとずつ、でもあからさまに、バランス悪いんだこのドラマ。
そんな中、拓真に「あなたにはいつも痛々しいほどクールでいてほしい」「あなたには幸せは似合わないわ、あなたと私は同じ運命、あなたの孤独は私にしかわからない」と言い放つ異母姉・恵理香(奥田恵梨華さん)が物語世界に似合いのいいケレン味を出してきてくれました。
こういうクサめな台詞は、台詞に負けないキャラにちゃんと造形されていなければ言わせてはいけない。拓真が計算ずくでドレスアップさせたゆりあを同行、建設大臣ゆかりの血筋令嬢(古川理科さん。05年『緋の十字架』の越智静香さんの軍人夫妹で西村和彦さんの縁談相手役。この枠では過去作で結構重要な役で見た俳優さんが、もったいないくらい登場話数少ない役でしばしば投入されます)との政略見合いをぶち壊した話を母・可奈子(高橋かおりさん)から聞いて、「へーえお見合いぶっ壊したんだ~」と心から嬉しそうに、思わず漏れたようなほくそ笑み顔がとてもよかった。
奥田さん、かつて関根恵子を名乗っていた若き日の高橋惠子さんをちょっと思い出させる和風クール美人です。
恋する男に「あなたには孤独でいてほしい」ってなかなか言えないよ。視聴者や読者として、キャラとしての男を鑑賞するだけの立場なら言えるけど(一例を挙げると『美しい罠』の槐とか槐とか槐とか)。
ゆりあの恋の横紙破り的ライバルとしてだけではなく、拓真のダークさ(←不足!)を内側から照射するための“第二の相手役”としての活躍を期待したいところです。