タイトルも写真と絵図の組み合わせもわけがわかりにくかろうが、いま日本各地で上映されている今年のアカデミー賞受賞のドキュメンタリー映画『不都合な真実』を見て来たが、その原題 “An inconvenient truth”に因る。
つまり、“inconvenient”の“in”は「不」や「非」を意味し、“convenient”は「便利な」や「都合がよい」を意味する。
まさしくコンビニエンス・ストア、略してコンビニは夜中や早朝にも開店し、萬屋(よろずや)の現代版であって便利で手軽に利用できるがゆえにそう呼ばれている。
この映画は地球温暖化の脅威と抑制を訴えるアメリカの元副大統領アル・ゴア氏(←クリック)の講演を中心としたものだが、温暖化を加速させたのは現代人のあくことなき利便追求である。京都議定書を批准していないアメリカの中でも独自に温暖化抑制策を推進している州や都市などの自治体は少なくない。
山形市の姉妹都市コロラド州のボルダー市もそうだし、ハリウッドの元アクション俳優シュワルツェネッガー知事のカリフォルニア州も温暖化抑制策には懸命であり、とりわけ日米の自動車産業に対しては厳しい。
映画ではコンビニのことを直接槍玉に挙げているわけではないが、深夜も灯りが煌々で店舗の規模に比して駐車場が広くて車社会対応型であり、決して環境に優しいとは言えないし、消費者側も現代的生活の便利さにどっぷりと溺れきってはならないということであろう。
※ 溶解している氷山の絵とコンビニの写真は関連HPより