何とモッタイナイ！(12) 木造の農協営業所

　たった２階建てなのに、これでも昔は村の近代的な巨大建築であったに違いない。実際この写真を見ただけでも下手な現代ビルよりもずうっと大柄に見える。それだけに木造建築は存在感があるということなのであろう。ともかく現代建築は玩具箱を大きくしただけだから貫禄に欠けてしまうのではないか。
　この写真は確か２０年程前の郊外の農協施設だが、一番手前の棟は既に２年前には失われている。ということは老朽化した、使い勝手が時代に合わなくなったとかいうことで、解体のうえ、どこか近くに新築されたのであろう。
　でも、この木造の営業所は古いながらもますます美しく親しげに見えてならないから不思議である。だからカメラに収めたわけである。
　とりわけ木製の窓枠が建物にフィットして音楽的に美しく感じる。もし、これがアルミサッシの窓だったら、非調和的で美観を呈することはないであろう。