二次方程式の文章題に入った由生(ゆうき)には申し訳ないことをした。一時の激情に駆られてプリウスを津市内へと走らせた。別所書店修成店・・・ところがだ・・・ない。前に来たときは「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」はあった・・・買いたいと思いつつも値段でじっと頭を垂れて退散した苦い経験、忘れるはずがない。
店員にパソコンで検索してもらうが、ともに今はないとのこと。仕方がない、ハッピーブックス(宮脇書店)だ。・・・が、ここもない。かといって今から松阪や鈴鹿の宮脇に行けるはずもなく・・・悔しい・・・何か買いたい・・・子どもやな。
2週間ほど前の光景が蘇る・・・和光大学の森下(8期生・環境学講師)のまだまだ殺風景な研究室。本棚にはほとんど本がない状態・・・ゆえに記憶に残ったジャレド・ダイアモンドの新作『昨日までの世界』 覚悟したのに何も買わないで帰るのが寂しくて、ついつい買ってしまう。
塾に戻ると予想通りに由生がいない・・・帰ったようだ。後ろめたさを感じる俺に晶帆(日生第一4年)が「先生、これ・・・差し入れです。よかったら食べてください」
鰻を頬張りながら、パプアニューギニアのダニ族の闘争について書かれた第三章「小さな戦争についての短い話」を読み始める・・・至福感が押し寄せてくる。
・・・でもやね、太郎(9期生・東海理化)に負けたくないやら、森下に負けたくないやら・・・、俺のこの幼稚な感情、どないかせんと。