１月９日

田丸ドクターとは橋本ドクターの親馬鹿ぶりで盛り上がる。橋本ドクターの年賀状は、さすがに子供オンリィではないものの、康葉を真ん中に橋本君と奥さんの３人のアップだった。「いやあ、変われば変わるものですね」と田丸ドクター。「今日は奥さんのお許しをもらってきたの？」と俺。「いやあ、奥さんも会社の同僚たちと旅行に行ってますから」　そんな田丸ドクターの年賀状には「マージャンがやりたいなあ」との添え書きがあったっけ。
マージャンの合間を縫うように田丸ドクター、旅行に行ってる奥さんに向けて頻繁にメールを送っている。マメやな、と感心しきり。結婚願望が異常なほど強い谷に言う、「見ろ、谷君。これが結婚するって現実やで。このマメさを地道に続けることで今日のような安息の一日を紡ぎ出すことができるんや。谷君の抱いている強迫観念的とも言える結婚願望には、いつだって好きなことができる、週末には飲みにもいける、マージャンもできる、そんな感情も同居してるんじゃない？　結婚したら二人の生活や、自分の勝手し放題で週末を暮らすことなんでできへんのやぞ」「確かに・・・大変ですよね。でも先生は？」「・・・まあ、俺んとこは奥さんが俺にあまり興味がないようだから」　自分の声が借りてきた猫のようになっちまう。

日付が変わった頃、去年の国家試験に合格し伊勢市民病院勤務となった田丸・弟が姿を見せる。「先生、おひさしぶりです」「元気やったか」「ええ」「古野先生、言うてたで。兄弟揃ってシゴキがいがある子たちやって」　そこへ兄貴、「そういえば最近、古野先生に会ったんですけど、弟を脳外科に入れたらアカンか？って言われましたよ」「ええ、そうなん。僕もしょっちゅう脳外科に入れって言われてるよ」

マージャンは谷の疾風怒濤、谷のリーチの前にはペンペン草も残らない！　無人の野を駆ける谷、怒涛の半荘12回。俺のマイナスは100をゆうに越える惨状、田丸・兄は後半に巻き返してなんとかマイナス20に抑える。弟は俺同様に悲惨なまま朝を迎える。

田丸ドクターが来るのでと買い込んで来た刺身に誰も手をつけないで残っていた。それを土産に家に戻る。コタツの中にもぐり込むとついつい居眠り。
塾に戻ったのは昼から。中３が冬休みの宿題をしている。そうか、今日で冬休みも終わりかと感慨に浸りつつ、ご父兄への年賀状を書き始める。

野洲高校が全国高校サッカー部の頂点に立った。
画一的な選手が多い現状を憂い、オリジナリティ溢れるクリエイティヴな選手育成を自らに課した山本監督の悲願がかなったわけだ。

夜は明治時代の年表の試験だ。嬉野の久保に合わせて、まだ中学では学んでいない南郊中は予習として試験を受ける。まあまあの出来で中２は平行四辺形に入る。３学期の期末試験まで待ったなし、まずは最も難度の高い平行四辺形から崩す一手だろう。
中３は昼と同様に宿題。宿題が終わった生徒は実力試験の勉強かな。
やっと年賀状を書き終え全員に配る。