弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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ドラマのようなこと、というべきか。他人事ではない、というべきか。

2016年02月01日 10時56分56秒 | 実務関係(商・不)
おはようございます。
寒いです、湘南地方。
今日はこのあとおでかけ。

さて、今日は こんな記事
(朝日新聞デジタル)

<以下引用>
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企業秘密持ち出し、転職予定の会社に罰金刑 横浜地裁

競合する会社から機械の設計データを持ち出したなどとして、不正競争防止法違反の罪に問われた包装機械メーカー
「アイ・ディ・ケイ」(横浜市鶴見区)に対し、横浜地裁(近藤宏子裁判官)は29日、罰金1400万円
(求刑罰金2千万円)の判決を言い渡した。
経済産業省によると、企業秘密を侵害したとして法人に罰金刑が科されるのは極めて異例という。

 また地裁は、持ち出しを実行した原野努被告(48)を懲役2年6カ月執行猶予4年と罰金100万円、
データを受け取った同社の元営業本部長、南圭一被告(62)を懲役2年執行猶予4年と罰金80万円とするなど、
4人に有罪判決を言い渡した。

 判決によると、原野被告は2013年9月、当時勤めていた包装機械メーカー「光洋自動機」
(横浜市港北区)から、設計図のファイルデータを不正に持ち出すなどした。
原野被告は「アイ・ディ・ケイ」への転職が予定されていたという。


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<引用終わり>

なんとなく「下町ロケット2」を彷彿とさせる設定。
不正の手段により設計データを入手した法人にも罰金刑が科されとは。
この金額で抑止力がはたらくのかはなんともわかりませんが。
これとは別に民事上の救済もされるんでしょうかね。

ポイントとしては、
持ち出された側の「光洋自動機」の側が、設計データを「営業秘密」として認定されるよう
しっかりと秘密管理していた、ということ
(それがなければそもそも認められない。過去にも「秘密管理性」の要件で否認された事例は多い)。

事後的な救済もさることながら、そのような秘密管理体制を構築することで
関係者に対する意識喚起にもなる。
コストはかかるけど。

経産省の「営業秘密管理指針」(このページにPDFがある)などもよくよ
く参照する必要がある。

土曜日見ていたドラマで、
「日本はスパイ天国だ」なんてセリフがあったけど、
こういう事案って昔からあって表ざたになってなかっただけなんですかね。




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