らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

粗にして野だが卑ではない

2017-09-27 | 時事

一昨日、安倍総理が衆議院の解散を決意しました。
来月22日が投票日となるようです。

近年、国会議員の不祥事が度々報道されており、議員の資質が問われています。
私たち有権者は、来月の投票日には候補者をよ~く見極めて投票をしなければいけません。

「粗(そ)にして野(や)だが卑(ひ)ではない」と言う言葉があります。
この意味は、外見や言葉遣いが洗練されず粗野に見えるとしても、考え方に筋が通っていて、卑なことは決してしない人のことを言います。

この言葉は、元国鉄(現JR)総裁の石田禮助氏が国会で国鉄総裁就任の挨拶をした時の言葉です。
「自分は粗野な性格だが卑しい性格ではない」と言う意味で述べたものです。
その時の国会発言をご紹介します。

(国会発言)
昭和38年5月21日の第43回国会の運輸委員会「日本国有鉄道の経営に関する件」での発言です。

『私は、今回、日本国有鉄道の総裁に任命されました石田禮助であります。これからこちらへはたびたび御招集を受けてまいることと存じますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 一言この機会を利用いたしまして申し上げたいと思いますが、私は昨年九月まで約六年間監査委員長として国鉄の監査の仕事をやっておりました。
その間おととしの七月に衆議院の決算委員会、それから昨年九月に参議院の運輸委員会と二回呼び出されまして、そこで国鉄のことについて申し上げたのであります。
 それで実は私は初めからこういうことをお願いするのは変ですが、御承知のとおり、私は生来きわめて粗野です。卑ではないが、粗にして野です。
こういう皆さんの前へまいりまして国鉄のことを説明するにいたしましても、たとえば、おととしの春、決算委員会へ呼ばれてきたときにも、国鉄の者が私に向かっていわく、委員長、あなたのようなああいう態度で答弁するというようなことがあっては二度とあなたを呼びません、こう言うのです。

(中略)
そういうことで決してここに来て嘘は申しません。知らぬことは知らぬと言う。それであなた方が私に答弁することのできないような難問を出されたときには、私は頭を下げます。知らぬと言う。その代わりに勉強してきて次の機会に御説明申し上げますからして、その機会を与えていただきたい。
こういうぐあいで決して私はごまかしはせぬ。嘘も言わない。誤りはあるかもしれない。その点はどうぞ御承知願いたいと思います。
どこまでも私は誠意を持って皆さまに国鉄に関して御答弁を申し上げるつもりであります。
どうぞ御了承願いたいと思います。(拍手)

(参考)
石田礼助氏は三井物産社長から国鉄総裁に就任し、国鉄改革をした人です。
東京高等商業学校(のちの一橋大学)卒業後、三井物産に入社。55歳で三井物産を退社し、産業設備営団顧問、交易営団総裁などを務めたのち太平洋戦争後の公職追放を受ける。その後、日本国有鉄道監査委員長を経て、国鉄総裁に就任しました。

石田氏のこの答弁では大きな拍手が沸いたそうです。
昔の人は答弁者も国会議員もサムライですね。人間の器が大きいです。
翻って、現在は如何でしょうか?
もし、現在、このような挨拶をしたら答弁が終わるまで静かに聞いて、拍手が起こるでしょうか?
多分、答弁中にヤジが飛ぶことでしょう。
今の国会議員はヤジることでしか自分や党の存在を国民にアピールできないように考えている節があります。

国会議員は日本の安全・安心、国民の生命・財産を守り、経済を発展させ、日本をより良い国へと導く為に働いてもらわなければなりません。
自己保身や権力を握るため、或いは自己の財産増を目的としたり、権力をちらつかせて不倫をする場ではありません。
次の衆議院選挙では、有権者の皆様の人を見る目が試されます。
石田礼助氏のような立派な人と、議員としての資質が低い人をよ~く見極めて一票を投じていただきたいものです。

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1 コメント

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らいちゃん  へ (iina)
2017-09-27 08:40:26
> 自己保身や権力を握るため、或いは自己の財産増を目的としたり、権力をちらつかせて不倫をする場ではありません。
つい最近に、続けざまに報道された一部の議員たちの情けない行ないです。劣化いちじるしく思われます。

ケンカするにしても、相手をおもんばかった対応と、ののしり合いは まったく違います。
国連で侮辱されたから宣戦布告されたと口汚く言動すれば、相手と同類に堕ちてしまうとは考えぬようです。

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