らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

恙なきや

2021-07-25 | 雑学

異例ずくめの ”2020 東京オリンピック”が開幕しました。
今回の五輪は、コロナ禍によって1年延期になった他、メインスタジアムにあたる国立競技場の建て替え問題に始まり、大会エンブレムの盗用疑惑、大会組織委員会のトップ交代、開幕直前になって、楽曲担当の小山田圭吾さん、ショーディレクターの小林賢太郎さんと重要な役目を担う2人の辞任、解任が相次ぎ、不安に包まれた開会となりました。

しかし、これまでのような盛り上がりには欠けた感がありましたが、1824台のドローンを使った地球の創造で日本のテクノロジー力を発揮したことや、歌舞伎俳優の市川海老蔵さんの歌舞伎十八番に数えられる演目「暫(しばらく)」を披露し、日本の伝統芸能文化を世界に示したことなど、全体に日本的な演出が施されていて、大変良かったように感じました。

今回はコロナ禍での開催となっています。
海外五輪選手の中にはPCR検査が陽性となって、泣く泣く出場を諦めなければならない人もいます。
五輪開催には反対する人もたくさんいることから、これ以上、選手や大会関係者にコロナ感染者が出ないことを願いつつ、テレビの前で応援したいと思います。

・1824機のドローンが創造した地球です。


「聖徳太子没後1400年」
さて、オリンピックとは関係ありませんが、今年は聖徳太子が世を去ってから1400年という節目の年にあたります。
聖徳太子と言えば、冠位十二階や憲法十七条を制定し、推古天皇の摂政として、遣隋使を派遣して大陸の文化や制度を積極的に取り入れたことで知られています。
また、日本に仏教を広め、法隆寺や四天王寺などを建立した人物としても有名です。

その聖徳太子が1410数年前の607年に、第2回遣隋使で隋の煬帝(ようだい:第2代皇帝、在位604~618年)にあてた国書の中に「日出づる処の天子、書を日没する 処の天子に致す、恙(つつが)なきや」と言う有名な文言があります。
これを読んだ煬帝は、「蛮夷(ばんい:野蛮な異民族))の書、無礼なる者有り、復(ま)たもって聞する勿(なか)れ」と激しく怒ったと言われています。
今日はその「恙なき」について調べてみました。

「恙とは」
恙なきの「恙(つつが)」とは、いったいどのような意味なのでしょうか?
「恙」とは人の腹の中に入って人の心を食うという害虫のようです。
古代の中国人は、よくよくこの虫に苦しめられたらしく、人の健康を問う時に「恙なきや」と挨拶する様になったと言われています。
その語源は、一説には、ダニの一種である「ツツガムシ」とも言われおり、これにやられると高熱を発し、死亡率が極めて高く、昔は相当の被害があったことから、ツツガムシ病に罹らないでいる意味から、無病息災のことを「恙なし」と言うようになったと言うことです。

「恙」を広辞苑で調べると、①病気などの災難。やまい。わずらい。②ツツガムシの略。と説明しており、「恙(つつが)ない」は「恙(つつが)」が「無い」ことから、「病気ではない」と言う意味になり、無事である。息災である。異常がない。ということになります。

現在では、「恙(つつが)ない」と言う言葉を聞くことは殆どありませんが、「ツツガムシ病」は毎年全国で数百人程度発症しているそうです。
ハイキングなどのレジャーを楽しんだ1~2週間後に、もし原因不明の高熱が続いたら、一応「ツツガムシ病」を疑った方がいいかもしれません。
手当てが遅れると重篤になる事も考えられるということです。

新型コロナの感染者は50歳代以下が9割以上を占めています。
希望者全員にワクチン接種が終わるまで、十分ご留意の上「恙なく」お過ごしください。