らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

七夕の節句の謂れ

2021-07-07 | 伝統行事

今日は「七夕(しちせき)の節句」です。
七夕は、7月7日の夜に星を祭る行事で、江戸時代に制定された五節句のひとつでもあります。
当時、公的行事や祝日として誕生した五節句は、1873年(明治6年)に新暦への改暦と共に制度としては廃止されることになりました。
しかし、五節句は、形を変えながら四季折々の行事として現代まで受け継がれています。
「五節句」
五節句とは次の節句を言います。
・1月7日:人日 (じんじつ)の節句
・3月3日:上巳 (じょうし)の節句
・5月5日:端午(たんご)の節句
・7月7日:七夕(しちせき)の節句
・9月9日:重陽(ちょうよう)の節句

「七夕(しちせき)の節句」
「七夕の節句(笹竹の節句)」とは、日本古来の「棚機津女(たなばたつめ)信仰」と中国の「乞巧奠(きっこうでん)」伝説が結びついたものです。
 (「棚機津女信仰」と「乞巧奠伝説」については後記しています)
「七夕の節句」は江戸時代後期には、各地域で盛んに催され、紙や布などで作った様々な飾り物(短冊、吹流し、着物、折鶴、巾着、投網、西瓜、鯛、そろばん、大福帳、筆、硯、太鼓、宝船、人形など)を竹に飾って楽しんでいました。
また、七夕は神に捧げる収穫祭でもあり、小麦や野菜は供え物として欠かせませんでした。



「棚機津女(たなばたつめ)信仰」
棚機(たなばた)とは、古い時代の日本行われていた禊(みそぎ)の行事で、乙女が着物を織って棚にそなえ、水の神様に秋の豊作をお祈りするというものです。
選ばれた乙女は「棚機女(たなばたつめ)」と呼ばれ、川などの清い水辺にある機屋(はたや)にこもって神さまのために心をこめて着物を織ります。
そのときに使われたのが「棚機(たなばた)」という織り機です。
棚機(たなばた)とは棚(横板)の付いた織機で、「棚機津女」は水辺の機屋に一晩こもって織物を織り神に捧げるという神事です。

仏教が伝わると、この行事はお盆を迎える準備として7月7日の夜に行われるようになりました。
現在、七夕と書いて「たなばた」と読んでいるのは、ここから来ていると言われています。

「乞巧奠(きっこうでん)」
「乞巧奠」とは、一年に一度、七月七日の夜に牽牛(けんぎゅう=彦星)と織女(おりめ)が、天の川を渡って会う恋物語が中心となり、この二つの星に供え物をし、女子が裁縫や手芸の上達を祈願したという中国の伝説です。
奈良時代に中国から伝わったこの習慣は日本の宮中に広まり、七夕の夜に女性がお供えをして祈るお祭りへと変遷し、更に、男女の良縁を祈る意味も加わったと言われています。

日本でよく知られている織姫と彦星の話はこの乞巧奠伝説がルーツとなっています。
その一般的なあらすじは、結婚によって全く仕事をしなくなった織姫と彦星に怒った天帝が、天の川によって2人を離れ離れにしたというものです。
そして天帝は、仕事に真面目に励むことを条件に、7月7日に年に1度だけ2人が天の川を渡ることを許したとされています。

現在、新型コロナウィルスが蔓延して、日常の生活様式が一変しましたが、一日も早く通常の生活に戻れるように『七夕の節句』の今日、星に願いをかけてみてはいかがでしょうか。