らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

埒が明かない

2021-07-23 | 雑学

皆さんは埒(らち)が明かなくてイライラしたことはありませんか?
私は第2の職場で経理を担当していた時、取引銀行の窓口で少し無理なお願いをしたのですが、窓口担当者は融通が利かず、イライラしたことがあります。
そのうち、「君では埒が明かないから、支店長を出してくれ」と言ったところ、担当課長が出てきて依頼事項を処理してくれました。

「埒が明かない由来」
このように「埒が明かない」とは、物事が解決しない、事態が進展しない、決着がつかない、という意味なのですが、では、「埒」とは一体、何のことでしょうか?

調べてみると、「埒(らち)」とは、馬場の周囲に設けた柵のことでした。
この柵が開くのが「埒を明ける」で、柵が開かないのが「埒が明かない」です。

その語源は、賀茂の競べ馬(くらべうま)が由来とする説と春日大明神の祭礼が由来とする二つの説があります。
競べ馬説とは、毎年、5月5日に行われた京都・賀茂神社の競べ馬の見物人が馬場の柵(埒)の開くのを待ちくたびれて「埒が明かない」となったとする説。
一方、春日大社説は、奈良・春日大社の祭礼で、一夜、神輿の周りに柵を作り、翌朝、金春太夫(こんばるだゆう)が中に入って祝言を読むまでは誰も柵の中に入れなかったことから、柵(埒)があかないことには物事が先に進まないという意味になったとする説です。

なお、「埒」の言葉の由来から「らちがあく」の「あく」は「開く」のように思えますが、正しくは「明く」の字を使いますので、注意が必要です。

・京都・上賀茂神社の競べ馬(くらべうま)神事です。


「埒を含む言葉」
参考までに、「埒」のつく言葉には次のようなものがあります。
・「埒を明ける」「埒を付ける」といえば、物事に決まりをつける。はかどる。の意味。
・「埒を越える」といえば、法や掟(おきて)を破る、道理に反するの意味。
・「不埒(ふらち)」は、道理に外れていて、けしからぬこと、という意味。
・「埒外(らちがい)」は、ある物事の範囲の外、という意味。
・「埒内(らちない)」は、ある物事の範囲の内、という意味になります。
ドラマで織田信長のセリフに「埒もない」がありますが、その意味は、順序が立たない、取りとめもない。つまらない、ということです。

・各競馬場の埒とは、各コースの柵のことで、内側の柵を内ラチ、外側の柵を外ラチといいます。