らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

「見当」の語源

2021-03-27 | 雑学

「見当違い」とか「見当はずれ」などと使用される「見当」という言葉がありますが、この語源が浮世絵から生まれた言葉だということなので調べてみました。

「見当語源」
浮世絵は室町時代に浮世を描いた風俗画として登場しましたが、江戸時代には「墨摺絵(すみずりえ)」と呼ばれる木版の単色刷りとなります。
江戸中期の明和2年(1765年)頃、浮世絵師の鈴木春信が浮世絵版画の多色刷りに成功するのですが、その多色刷りを可能にしたのが「見当」の発明だったのです。

見当とは、版木の右下隅と中央下の2か所に彫ったカギ状の印のことなのです。
浮世絵では何種類もの版木を作って多色刷りをするのですが、色がずれないように見当に紙の端をきちんと合わせて行います。
何色も刷り重ねた時も色がずれないように、その印として作られたのが「見当」なのです。
ここから、「見当ずれ」とか「見当はずれ」という言葉になったということです。

木版画はそれまでの墨一色から、複数の色版を用いた多色刷りになりますが、重ねたときに位置がずれないよう、L字に彫り込む右手前の「カギ見当」と一文字に彫り込む手前中央左寄りの「引き付け見当」の2ヶ所に紙を引っ掛けて位置を定めるようになりました。 
この見当がずれて彫られてしまうと、色を重ねたときにずれてしまうので、木版画にとって精密さを要求される非常に重要な技法の1つでした。

「見当」は現代でも印刷業界で「見当ずれ」のように使われている言葉だということです。