先日、某民放局の番組で、弓道好きのポーランド人の女性を日本に招き、神戸の甲南大学の弓道部の練習風景を見学させ、同コーチから弓道の基本を教わっていました。
その時、コーチから「手の内」という言葉が弓道から生まれたことやその意味について教えていたのです。
私は「手の内を明かす」の慣用句が弓道から生まれたということをその時初めて知ったのですが、そのコーチが日本の弓道を愛してやまない外国の女性に「手の内を明かして」真剣に教えていたことに感激して、この慣用句を調べてみました。
「手の内の語源」
ところで、弓道から生まれた「手の内を明かす」の「手の内」という言葉ですが、これは、弓を持つ左手の使い方や手のひらにできたマメを見ると、その人の流儀や技量を推し量ることができるということです。
そこから、自分の手のひらを見せる=「手の内を明かす」という表現が生まれたということです。
そのため、弓の名手は決して手のひらを見せないと言われています。
・手の内です(全日本弓道連盟HPより)
「手の内の意味」
「手の内」とは、広辞苑によれば、①手のひら。特に握った掌(てのひら)の内。ての中。②腕前。手並み。技量。③手ごたえ。④力の範囲内。⑤乞食などに施す銭・米など。⑥心の中で計画していること。と説明しています。
「弓道の手の内」
弓道の「手の内」とは、全日本弓道連盟のホームページによれば、簡単にいえば「左手で弓を握る方法のこと」で、これによって射(しゃ)の良しあしが決まるほど重要なため、各流派で門外不出とされてきたそうです。
そこから「手の内」に「腕前。手並み」「心の中で考え、計画していること」の意味が生じ、自分の持っている技術や大切な情報を人に示すことを「手の内を明かす」というようになったと言われています。
テレビの番組では、その女性は日本で初段を取得し、ポーランドに帰国した後、教えてもらった基礎をしっかり練習した結果、3段に昇段したということでした。
おめでとうございます。
願わくば、更に腕前を挙げて、日本の弓道をヨーロッパに広げて頂きたいと思います。