らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

日日是好日

2020-10-12 | 雑学

当地(大阪・熊取)では、台風14号の影響で8日から降り出した雨が3日間続きました。
雨の日には録画しているドラマや映画を観ることが多いのですが、先日は「日日是好日」という映画を観ました。
私は「日日是好日」と言うタイトルを見て、俗世間を離れてのんびりと、穏やかな毎日を過ごす年寄り向きの映画と思っていたのですが、そうではありませんでした。
今日は映画の内容は兎も角、題名の「日日是好日」について調べました。

「映画」
とは言え、映画についても少しだけ触れます。
この映画は樹木希林さんがお茶の先生、黒木華さんと多部未華子さんがお茶を一から習い、お茶の魅力に引き込まれていく映画です。

雨の日は雨を聴き、雪の日は雪を見て、夏には夏の暑さを、冬は身の切れるような寒さを、五感を使って全身で、その瞬間を味わう。
年を取って日々を過ごしていく中で、それでも、お茶を続ける女性は、”お茶”の魅力に気づき、惹かれていきます。
やがて何でもない日々、お茶を楽しめる幸せを感られることの素晴らしさを改めて感じていくのですが、これが『日日是好日』という言葉の意味しているところでした。



「日日是好日の由来」
この言葉は中国の唐末から五代にかけて活躍した大禅匠、雲門文偃【((うんもんぶんえん)禅師(864年~ 949年)の悟りの境地を表した言葉です。
(なお、五代とは、 中国で唐の滅亡後、北宋が興るまでに華北に興亡した後梁、後唐、後晋、後漢、後周の5つの王朝のことです)

「日日是好日」とは、「毎日が良い日だ」という意味になりますが、決して毎日いい日が続いて結構なことだ、などといった浅い意味ではありません。
一般に私達が、今日はよい日だ、悪い日だという場合、天気だけでなく、「お金が儲かった」「損をした」「よいことがあった」「嫌なことがあった」など、そんなものさしで判断しますが、これらは優劣・損得・是非にとらわれた考え方です。
この考えでは、たとえ、幸運が訪ずれても、その後に来る不運に脅えなければなりません。

「日々是好日」は、そんなこだわり、とらわれをさっぱり捨て切って、その日一日をただありのままに生きる清々しい境地をいいます。
例えば、嵐の日であろうと、何か大切なものを失った日であろうと、ただひたすら、ありのままに生きれば、全てが好日(こうにち)なのです。

禅では、過ぎてしまったことに、いつまでもこだわったり、まだ来ぬ明日に期待したりしません。
目前の現実が喜びであろうと、悲しみであろうと、ただ今、この一瞬を精一杯に生きる。
その一瞬一瞬の積み重ねが一日となれば、それは今までにない、素晴らしい一日となるはず、と考えるのだそうです。

なお、この映画では題名の「日日是好日」を「にちにちこれこうじつ」と読んでいました。
しかし、禅語では、「にちにちこれこうにち」が正しい読み方とされているそうです。