「喜寿(77歳)祝うに足らず 傘賀(80歳)いまだ青春」
これはシルバー人材センターの事業創設者・元東大総長の大河内一男氏の言葉です。
今日は超高齢化社会の我が国において、現役をリタイアした後も仕事を続けたいと願う人に、仕事を通じて地域社会へ貢献していただくことを目的に設立された組織「シルバー人材センター」について調べました。
「シルバー人材センターの誕生」
シルバー人材センターの設立は45年前の1975年(昭和50年)です。
当時、日本は徐々に高齢化が進行しており、「定年退職後も仕事を続けたい」と希望するシルバー世代が増加する傾向にありました。
そのような中、全国に先駆けて東京都内に設立されたのが、「高齢者事業団」という組織。これが、シルバー人材センターのはじまりです。
この組織の生みの親が元東大総長の大河内一男氏で、冒頭の言葉は氏が残したものです。
・大河内氏の言葉です。
大河内氏は定年後の就労先が行政の失業対策事業などに限られていることを憂慮し、「救済ではなく生きがいを」と提唱しました。
理念に賛同した東京都江戸川区の老人クラブ連合会が中心となり、1975年に前身の高齢者事業団が設立されました。
その仕組みは、地域の家庭や企業などから請け負った仕事を登録した高齢者の経験と能力に応じて紹介するものでした。
多少の報酬は得られるものの、雇用でもボランティアでもない、日本独特の制度です。
大河内氏は各地で意義を説いて回り、活動は全国に広がりました。
1986年(昭和61年)に法制化され、現在、全国に1303団体、会員数は71万人余りです。
駐車場管理や家事支援、将棋や囲碁の相手など、様々なニーズに応えています。
「運営」
シルバー人材センターは、都道府県知事の指定を受けた公益法人です。
原則として市区町村ごとに設置され、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」に基づき、各センターが独立して事業を運営しています。
「自主・自立、共働・共助」の理念を掲げ、「高齢者が仕事を通じて生きがいを得ること」と、事業を通じて「地域社会の活性化に貢献していくこと」を大きな目的としています。
なお、理念の
・自主とは・・・自分のものとして考える
・自立・・・・・自分たちの力で育てる
・共働・・・・・一緒になって働く
・共助・・・・・お互いに助け合う。と言う意味です。
私もリタイア直後に熊取町シルバー人材センターに登録しようと思い、講習を受けましたが、当時は主たる仕事と言えば草刈りとか個人宅の庭の草取りなどでした。
草刈りや草取りをするなら、自分の畑を優先した方がよいと判断し、登録をあきらめました。
田舎町では働きたくても、現役時代の経験などを生かせるような仕事がないのが実情です。