家庭菜園における冬の作業の一つに「寒起こし」があります。
今日はこの「寒起こし」についてご紹介します。
「寒起こし」とは、厳冬期に畑の土を掘り起こし、耕地の表層と深層を入れ替える作業で昔から農家で行われている農作業です。
・収穫が終わった畝です。
この「寒起こし」は一般的には「天地返し」と呼ばれており、その目的は、
・寒気に耕地の表層と深層を入れ替えることで、深層で越冬しようとしていた害虫、雑草の根、土壌病害の原因となる病原菌を寒さに晒して退治すること。
・前回耕作で使用した肥料が深層に溜まってしまうため、その堆肥を表層に出すことで均一化することができる。
・この作業によって、掘り起こされた土の塊は寒さのため凍ったり解けたりして細かく隙間の多い柔らかい土になること。
等の効果があることに加え、連作障害の回避にも繋がると言われています。
・スコップで30㎝位の深さに掘り起こして天地返しをした畝です。
私は冬季に収穫後未使用の畝が生じるとスコップで30㎝~40㎝位の深さに掘り返すこの「寒起こし(天地返し)」を毎年行っています。
・寒起こし(天地返し)後1週間ほどで土はよく乾き、塊が砕け始めます。
当地の稲作だけの専業農家では、一部で厳冬期に田畑を耕している人もいますが、大多数は春先まで休耕にしています。
家庭菜園では狭い耕作地で多種類の野菜を栽培しているため、連作障害や病害虫の発生を防ぐためにも、厳冬期のこの作業は土作りに欠かせないものと思っています。