別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

この窓から

2015-04-20 | 別所沼だより

   ある人はうつくしい窓を持ち
   椅子に凭れて眺めるといふが
   僕の窓には黒ずんだ埃ばかり

   高い空を流れる雲の せめてあのあたりの
   青い色をと思ふのだが
   いつかの日にはそれさへ曇天の灰色だつた

 

   
   いつそ潮風でも吹いて来て

   海がひろがつてくれればいい
   この窓から ヨツトに乗るんだ

        「ある人は」   立原道造

 

 

 

 

 

 

コメント (2)
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