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ドアの向こう

日々のメモ書き 

守るもの

2013-11-17 | 別所沼だより

  別所沼は今が一番美しい季節です。


 第9回 ヒアシンスハウス夢まつりがおこなわれました。

 野外コンサートは埼大アカペラ・サークルの皆さん。 

軽快なリズムに乗って 大勢の方が集まりました。

 秋の日にかがやく紅葉  ヒアシンス日和…

 ことし創立57年を迎える浦和混声合唱もこころに残る。 道造の「優しき歌」の調べ、 ソプラノ アルト テノール、バス。さらにパートはいくつかに分かれ多声部によって響いた。 ふくよかに美しく掛け合う、 音色は景色になる。 深く味わって快い余韻。

 午後から別所沼会館で講演など 以下 自分あてのメモで(聞き間違いがあるかも知れません。誤りなどありましたらお詫びいたします。)

講演 「僕の立原道造入門」 高橋睦郎 

 ひとに入門を薦めるためのものでなく、苦手だった立原を 講演を良い機会として読みなおす、自身のための入門である。 

・岩波文庫 「立原道造詩集」杉浦明平 編 を 中学の頃読んだ。 その表紙に

 「若菜集」以後青春の抒情をうたいえたのは立原道造(1914-39)である。  彼は口語という困難な素材を使い、ソネットの形と新しい語法とによって抒情詩を構成した。 孤影の色濃い詩の中に青年の情感をみずみずしく盛り込み、半世紀を経た今なお人の心を打つ。」
 
あり、若菜集にひっかかった。

  藤村の若菜集「初恋」は 当時 (恋愛詩を読むだけで)恥ずかしく苦手、 リンゴすら食べたくなくなったくらいだ。 (すみません。カッコ内は蛙です。)
 しかし、「潮音」は好き。
 わきてながるる/ やほじほの/ そこにいざよふ/ うみの琴… 

椰子の実など。 さらに多くの資料と 中原中也・三好達治・蒲原有明・薄田泣菫などを引き、 比較分析されて進んだ。  
 
 道造にとってのソネットは 「言葉の砦」  では 何者から守るのか 何を守るのか…

 「あの息苦しい時代に やさしいもの あえかなものを守る」 
 このことは強い精神力の持ち主だからできること、 それは杉浦明平(問題や狭山事件、ハンセン病など社会問題に行動を起こした)との交友からも解ることである。

 興味深く、楽しく拝聴しました。 
心にのこることばを記します。
・ポエジーが自分の方にやってくる。 私が詩を書くのではなく、ポエジーに自分が選ばれる… ・詩を書きたい気持ちが起こったら、我慢できないところまで待って、待って 言葉が生まれる。待ち続ける… 自分の表現したいことばは ひとつしかない(高橋睦郎)


詩の朗読  中尾敏康 宮尾壽里子
  立原の詩を耳から聞いて味わう、 景色を想いながら。
埼玉詩人会のおふたりは自作も朗読された。 

講 話  島 亘
  記念館報に何度も執筆されている。   ドイツの詩人ヴィルヘルム・ミュラーの歌曲をテキストにシューベルトが冬の旅を作曲。
  立原の未完の手づくり詩集「Winterreise」[ミュラー「冬の旅」から]と堀のレコード<冬の旅>。 年表をもとに比較、検証された。
 限られた(30分)時間内では言い尽くせない。もっとゆっくり伺いたい。


 

尚 来年のヒアシンスハウス夢まつりは例年どおり 11月3日。 
 風信子荘が2004年に建てられて10年、 立原道造生誕100年です。

 

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