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ドアの向こう

日々のメモ書き 

憧れの家

2012-01-14 | 別所沼だより

 ハウスのあたりに鳩が群れて、 何か貰ったのでしょう。 枯草の上を啄んでいる。
 冬の日が温かい。 12月10日から、 ひとつき以上も降らなくて砂埃が舞いあがる。  鳩もバサバサっと、 飛び交う。 

 

  朝一番 窓越しに 親しげな笑みを浮かべるひと。
  「前に伺ったことがあるのです」  ニット帽の青年を思い出せない。
  「あの時の家ができたので、 きょうご報告します」 

 そうそう  夏の盛り、 建築家を伴って施工主の若い夫婦と 両親とで訪ねていらした、 しあわせなご一家だ。  探し当てたという風に柱を撫で、 硝子戸を楽しげにひき、 瞳をかがやかせていたのを思い出す。
  一階は土間で 大谷石を敷いてね…  素足であるく。 大谷石は蓄熱するので冬でも気にならない。 雨戸はなく、硝子戸に… 電車の中から木造の黒い家が見えたらボクの家です。 通ったらぜひ寄ってください。  ピン… ポン押してみて下さいね。 ガイドにも住み心地のよさが想像できた。 木立に囲まれるモダンで快適な家。 

・ 男性。 詩人の家はあこがれ。 晩年はこんな家で暮らしたいと 誰もが思うでしょう。 設計図が見たい。  図面はないの、 欲しいなあ… 外からも内からも 細やかに鑑賞された。 開放感あふれる家の思いが伝わる。

・ リフォーム中。 メジャーにカメラは必需品。 30代前半。パンフレットを勧めると、それより聴くほうが頭に入ると メモまで採って嬉しいこと。 
 ヒアシンスハウスと呼ぶのは何故?  もっとも多い質問です。
  あらためて (今までに調べ 判ったこと) 
 ヒアシンスは安政年間に渡来、 明治時代には風信子(ハヤシンス)と呼ばれる。 ほか「夜香蘭」の表記。 そのうち「風信子」がひろく用いられたが広まらず、大正までに「ヒアシンス」「ヒヤシンス」に落ち着く。 ガイドの亡きOさんは  立原がこだわったのは「風信子」。 
 モダンな匂いのする、 漢字表記、 語感ではないか。 ギリシャ神話の美少年ヒアシンサスも、 道造のセンスにフィットしたと思われる。  
          -☆-
「こだわって 造る…?」 とガイド。  即座に 「違います 心が豊かと言って…」 
 朝一番に会ったというのは、 たぶん従兄弟です。 
  血筋ばかりかすてきな感性も繋がっている。

・ 同年の6名。 ひとりが去年のヒアシンス夢まつりに参加。 皆さんに紹介したいのでお連れした。 女学生に戻って真剣に聞いてくださった。
 遠方の方も、 夢祭りの案内を希望して記帳。

 

・ お似合いのカップルは1時間以上滞在。 こういう家が造りたい。 コーナー窓の前は海です、 後ろは山で。 庭で遊ぶこどもの姿も 室内からぐるっと見わたせる。 おじいちゃんもおばあちゃんもここに座って。 振り向けば 山の学校にゆく子どもたちのようすも窺えて。 これが理想、 夢が広がります。 

 きょうも  嬉しき出会いがたくさんあった。
  来訪者 26名  ありがとうございました。
    

 

  正面の木立に囲まれた小さな家  あれが詩人で建築家の
  立原道造のヒアシンスハウスです。

      ヒアシンスの香りは

     風に乗ってゆくには重すぎて
     蜂蜜のように甘い雲となり
     まるでおだやかな夢のように
     甘美に眠気を誘うように
     香りに酔った者の頭にしみとおる

      ヘルマン・ヘッセ 「花の香り」  

  

 

 

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