きもちのよい朝 紅葉が一気に進んでいた。 20名くらいが散らばって油彩がすでに始まっている。 他にもちらほら水彩など描いている、 絶好のスケッチ日和だ。
ガイドの日、 備えつけの自由帳をみるのも楽しい。 これまで4回訪ね、 どうしても小さな家を建てたくなった。 2年前から探しているが工務店が見つからない。 どなたかお願いしたいと連絡先まで残している。
ハウスは木の香が良い、 ずっとここに居たい… などと。
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・夢の実現が気になって… 宮城から小さなお子さん連れて。 東京へ行く途中です。 柵もあるし、 甕に雨水をため農業をするつもりだったのかも知れない。 と一時間ほど楽しんだ。
・蕨から自転車で。 男性6名、 これから志木へ。 別所の錦に誘われて思わず立ち寄る。 ひとりに説明していると、みなさんを集めて真剣に聴いてくださった。
・下木崎の県立浦和西高は、 埼玉県立浦和第二高等女学校として埼玉女子師範(現在の埼大教育学部附属中学)に併設され開校したという。 別所沼とは目と鼻の先。 こちらでの授業とともに、このあたりがとても懐かしい… 女性4名
新聞で 毎月第4土曜 午後3:30から開催の「詩の朗読会」を知り、 参加してみたい。
・近くのご夫妻はなんどもいらしている。 木の香を愛でて、 記念館の閉館を残念に思う、 ヒアシンスハウスを永く続けてください。
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午後2時半ころ、 お客が途絶えてふと眼をあげると、 窓にスクリーンが現れて、 なかを積雲が泳いでいる。 不思議な体験をひとりじめした。 シュールな贈りものにワクワクして。
森は不意にかげりだす それは知らない夢のやうに
水や梢はかげりだす 私がひとり笑はうとする
くらく遠くの叢(クサムラ)に――
そのあとちひさな光が溢れ 葉は一面に顫へだす
森は風を待つてゐる 私は黙つて目をとぢる
私は逃げるうすい綿雲を見ないため
空に大きな光が溢れ 私はだんだん笑ひだす
風のうたつた歌 その二 立原道造

3時すぎて 外気はひんやり
陽をあびたメタセコイアが燃える。 多くの訪問者が記念館の閉館をとても残念がった。 何とかならないか… 新聞の投書欄も思い出される。
先の見えない時代、 詩は私たちに直接パンをもたらしてはくれない。 しかし、こんな時代だからこそ、 詩の持つ言葉の力が、 生きる勇気、励み、慰めとなる人たちがいることも事実だ…
福島の佐藤さんも記念館の再開を願っていた。
来訪者 27名。 ヒアシンスハウスの務めも大きいと思った。