goo blog サービス終了のお知らせ 

ドアの向こう

日々のメモ書き 

色と形

2008-07-05 | アートな時間

  七月一日 ブリヂストン美術館 岡 鹿之助展へ。

献花

 

  男装の麗人…  これは女性にたいして使う言葉だが、 若い日の写真をみてとっさに浮かんだ。  端正な面差し、 几帳面な絵肌、 細やかな文字の手紙。 
 どこからみても、 スマートな姿かたちの麗しい画家であった。 と、 気ままな感想。

  チューブから出したての絵の具は、 筆で画面をそっと叩くように置いてある。 キャンバスの荒い地肌が見える、 べた塗りしない。 鮮やか、 あまり白を使わず、 混色はしない。 隣の色を引きたてる。

  都会的な匂いのする作品は、 題材別に分けられ
・海 ・堀割 ・献花(花籠。 自分の思いを特定の人に捧げる意味合い) ・雪 ・燈台 ・発電所 ・群落と廃墟 ・城館と礼拝堂。  
 最終章 「融合」では、 前述八章のテーマを組み合わせ、 窓辺の花と遠くの街、 建物、 段丘など。 廃墟の前景にアマリリス、 窓やカーテン。 遊蝶花 も。
 古い街並み。 形象化する建物。 雲。 

    色が形に先行する…  
  自ら語るように、 冴えた色。 明度や彩度の対比。  宝石箱からこぼれ落ちる色彩の粒。 華やぐ点描。 リズム。
  パンジーがいくつも登場する 「三色菫」 「三色スミレ」 「三色すみれ」 「パンジー」。 落ち着いた色彩の「遊蝶花」など小品の数々。 ピサロ、 スーラー、 シニャックの点描とも異なる点描表現を、 みることができた。

   
 
 風景画を見て、 静かなものがたりを聞くような…   舞台に立つような感覚になる構成… など思う。 戻って略歴を読むと、 何となく繋がった。

  「劇評家の長男として生まれた」  劇場で たくさん観ていたに違いない。 実際、画家として舞台にかかわったこともあるらしい。

   HPで 主な作品が見られます。   なんと言っても  遊蝶花(下の写真左)。

  遊蝶花は… レミ・ドゥ・グルモンの詩から 
   シモオヌよ、そなたの髪の毛の森には…  一度読んだら忘れられない詩です。

  シモオヌよ…  
    春の庭には苧環、 遊蝶花、 
    唐水仙、 匂いの高い阿羅世伊止宇。  (訳 上田敏)  抜粋
 
      右写真も  タイトル 「遊蝶花」。    

    

  「魚」も 印象深い。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする