はべり食べぽち。

以前お話したように、ぽちは本当に食事をとりたがらない。
他の子がおやつを食べていたり、また私たちの食事をねだっていたとしても、
大抵ぽちは少し離れた場所からじっとそれを眺めていて、
「ぽち、こっちにおいで！」
と声がかかるまでそのままでいたりします。

でもその後、こちらに引き寄せ与えて食べさせ、
もしそれが美味しいものだったりしたら、
きちんと三角座りの体勢になり、首をササッと素早く振っては、
ほかの子たちに与えようとした食べ物を奪いに行ったりします。

だから決して食べるのが嫌なわけではなさそうなのですが、
相も変わらず、私が出て行く用意をしださない限り食事に口をつけようとしません。
そういうわけで、私は朝晩ぽちの食事の際には、
「さあ、もう行こうかな～♪」
と声を出しながら、何度もネクタイを締めては緩め、絞めては緩め、
このような小芝居を、ぽちが食べ終えるまで続けねばならないのです。

ほんまにもう…

ですが時折、そういうことをせずとも勝手に食べてくれるときがあるのですが、
その時はその時で、やはりちょっと変わった食べ方なのです。

普通どの子も食事の時は、普通に立ったまま（まあ四つん這いですね）
お皿に顔を突っ込み食べるのですが、
ぽちはなぜか、腹這いに寝そべったいわゆる伏せの姿勢のまま、
お皿に突っ伏した感じで　もそもそと食べるのです。
無論この時も自分から積極的にお皿に行くのではなく、
伏せ状態のぽちの目の前にお皿を置くわけなのですよ。
だから、どこかしんどいのかなとも思ったりもしたのですが、
食後は普通に元気に走って遊んだりするのでそういうこともなさそう。
だから、この体勢はこの子の変な癖の一つだなと今では思っており、
家庭内ではその食べ方を「はべり食べ」と呼んでおります。
（まあ本当はへばり食べの方が意味としては正しいのでしょうが。）

そんなわけですから、当然食べる速度もマイペースで
他の子たちよりもうんと遅い。
すると早食いの食いしん坊たちにとっては　ぽちの食事が非常に気になる！

だからこういう光景もよく見かけるのです。


「もそもそもそ…」



「ん？何か変な気配？」






「だるまさんが転んだ」か～！