- ロビーには、今月なかばに亡くなった浅利慶太氏のお写真と輝かしい経歴が。合掌。
- 原作映画脚本 トム・ストッパード マーク・ノーマン
台本 リー・ホール
翻訳 松岡和子
演出 青木 豪
作曲・指揮・音楽監督 笠松泰洋
|
|||||||||||||||||||||||||
【男性アンサンブル】 川口雄二 荒井 孝 鈴木 周 菱山亮祐 小林清孝 小松貴行 佐藤幸治 酒井康樹 |
【女性アンサンブル】 長橋礼佳 原口明子 |
【あらすじ】
エリザベス朝の時代。上流階級の貴族たちが演劇を観る芝居文化が花開いていた。
当時ロンドン北部にあった「カーテン座」劇場は、ナンバーワンの人気役者バーベッジが出演し、大盛況。
一方、ヘンズロウがテムズ河対岸に建てた「ローズ座」は、資金難で苦境に立たされていた。ヘンズロウは、作家ウィル(シェイクスピア)の次の新作を収入のあてにしていた。しかし、肝心のウィルはスランプの真っ只中で、まだ台本も完成していないのに出演者オーディションが始まってしまう。そこにトマス・ケントと名乗る青年がやってくる。
いや~、ジョセフ・ファインズとグウィネス・パルトロウのあの映画から、もう20年なんですね~もう、あの映画はうっとりしすぎて何度も観ちゃいましたアルカディアのトム・ストッパード氏の脚本だったんですねなんとロマンティック
この作品を四季がどんな風に?という思いで劇場へ。映画のようなとろけるようなロマンティックさはもう一歩ですが、豪華な衣装、聞き取りやすい台詞や男性アンサンブルの美しい賛美歌などが本当に美しかったです。一幕はちょっと説明的な感じでしたが、ウィルとヴァイオラが結ばれた後の2幕は一気に見せて素晴らしかったです。映画版でもあった「殿!ごむたいな~」的な、胸に巻いたさらしクルクルほどきシーンはちゃんとあります
ふたりの愛が切なさを増すたびにつむぎだされる言葉の数々が、ロミオとジュリエットの美しい台詞を生んだという展開が本当に素敵でした。あんなこと、言われてみたい
エリザベス1世など、実在の人物も出てきます。女王陛下は演劇好きだったんですね。ローズ座やカーテン座といった場末っぽい小さな劇場にもお忍びで出かけていたとは。ジョン・ウエブスターはちょっと陰気な少年で登場しますが、将来暗くて残酷な作品を描く劇作家になることがほのめかされてましたクリストファー・マーロウは若くして刺殺という最期を迎えますが、シェイクスピアの作品に大きな影響を与えた作家だったそうです。このおいしい役は、イケメン、田邊真也さん。四季はずいぶんご無沙汰なせいか、この方と阿久津陽一郎さんくらいしか知らないんですけどヴァイオラ役の山本さんも、凛とした気品のあるとても素敵なお嬢さんでした。
身分違いで結婚できないふたり(といっても既にこの時シェイクスピアくんは別居しているとはいえ、既婚で子どももいたのよね)の演じる最初にして最後の「ロミオとジュリエット」の名場面、本当に素晴らしくてため息ものでした
実らぬ恋の情熱がヴァイオラという名の女性を主人公にした「十二夜」につながったというラストも素敵
8月にはオックスフォード大学演劇協会来日公演の「十二夜」を見に行きます。"Twelfth Night, or What You Will"「御意のままに」と副題がついているのは、台詞にあったように十二夜の祝宴用の喜劇を書くようにとの女王陛下のリクエストだったからなのかな~ちがうかな~
竹芝地区の大規模再開発で、「春」「秋」の劇場は既に取り壊され、自由劇場も工事塀に囲まれてひっそりと建っている感じでした。