pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日@ユナイテッドシネマズ

2013-03-01 23:23:09 | 映画/DVD

ストーリー:1976年、インドで動物園を経営するパイ(スラージ・シャルマ)の一家はカナダへ移住するため太平洋上を航行中に、嵐に襲われ船が難破してしまう。家族の中で唯一生き残ったパイが命からがら乗り込んだ小さな救命ボートには、シマウマ、ハイエナ、オランウータン、ベンガルトラが乗っていた。ほどなくシマウマたちが死んでいき、ボートにはパイとベンガルトラだけが残る。残り少ない非常食、肉親を失った絶望的な状況に加え、空腹のトラがパイの命を狙っていて……。


予告編からず~っと気になっていたこの映画。何度となく機会を逃してしまい、あと1週間らしいとのことで、ようやく観にいけました。

・・・・・・よかったです。なんて美しくてなんて考えさせられる映画なんだろうと、ため息ものでした。インド人キャストの目ヂカラにもぐいぐい引き込まれます。大人になったパイによって語って聞かされるこの形も好み。

予告編で感じたような、ただ「どう猛なトラと一緒に救命ボートで大海原を漂流するはめになった16歳の少年のサバイバル」というような単純な話では全然ありませんでした。宗教観、宇宙観、生命とは何か。人が本当に切羽詰った状況に置かれた時、どういうことが起きるのか。などなど。

映画では、成人した主人公パイ(π)がカナダ人作家に身の上話を聞かせるといった形をとっています。動物園を経営する一家が市からの補助金カットを受けてカナダへ移住し、動物を売って新生活を始めるため、日本籍の貨物船に乗り込み、遭難するところからパイとベンガル虎「リチャード・パーカー」の壮絶な物語が始まります。ここへたどりつくまでにパイの小さい頃のエピソードがたくさん盛り込まれますが、それはすべて伏線となっています。なるほど~そういう経過があって彼はあのサバイバルをあのようにして乗り切ったのかあ。。と、後になってわかります。この虎、「リチャード・パーカー」がめちゃくちゃツボ。CGだというんですが、素晴らしいです。トラ猫飼ってる私は、リチャード・パーカー見てるだけでもううるっとするぐらい。早く帰ってうちのトラ猫パーカーじゃなかった、チャメを抱っこしたい衝動にかられました。リチャード・パーカーが船に這い上がろうとするところや、バカ尿をびしっとひっかけるとこまでもうツボ。そして、次第に衰弱し、振り向きもせず立ち去る場面などはもう胸が詰まってしまいました。気高さと獰猛さ、残酷さ。

身の上話にはもうひとつの真実のあることが、最後にパイの口から語られます。トラの餌食になるシマウマは、オラウータンは、ハイエナは、そしてそのトラは・・・「君はどっちの話が良いと思う?」と問いかけるパイ。どちらの物語が真実かは、おそらくこの物語の読者、映画の鑑賞者の解釈にゆだねられる仕組みのようです。主人公の少年の名がパイ→(π)→どこまで行っても割り切れないというのも作者の意図でしょう。すごい仕掛け。

「人生に別れはつきものだ。だが本当に悲しいのはさよならを言えないことだ。」という言葉が心に沁みました。

 ・・・・で、かえってさっそくチャメを抱っこしましたが、お〇っこした直後だったらしくお尻にシブキが・・こんな災難、パイにくらべりゃ・・・


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