←与野本町駅前の薔薇、ほんとにお見事
再びのハムレット。今回はぐっと後ろに下ってS列真ん中。遠いかと思いきや、通路後方で一段あがってとても見やすいお席でした。1回目の鑑賞では、ハムレットの大熱演に圧倒されまくりで気づかない部分もありましたが、今回あーなるほど、そういうことかと感ずるところが多かったです。一番?だったフォーティンブラスの件。
あの王子の胸は崇高な大望にふくらみ、いかなる結果が待ち受けるかは眼中になく、はかない頼りないいのちを運命にさらし、死と危険に敢然と挑戦する、それもただ卵のかけらほどの問題のためだ。真の偉大さとはなにか。たいした理由もないのに軽挙妄動することではなく、名誉がかかわるとあらば、たとえ藁しべ一本のためにも死を賭して闘う理由を見出すことこそ偉大なのだ。 小田島雄志訳
ボローニアスを誤って刺し殺した後、ノルウェー王子フォーティンブラスが僅かな土地の奪還のためにデンマークを通過する光景に感動し、自らもそうあらねばと思ったんですね。フォーティンブラスを呆然と見つめる静かな姿は激情にかられてのたうち回る姿とは全く違うハムレットでした。
また、あんなに激しく叫びまくらなくたって。。と感じたクローディアスも、後方から観ていると、なんとなく納得してしまいました。
最後にレアティーズとの死闘。剣先に毒を仕込んだレアティーズの剣がぽーんと飛んでハムレットの剣と一瞬で入れ替わる場面。お見事でした!
そしてもうひとつ。これは父の亡霊の意志で復讐に走った王子の話ではなく、「正しくあろう」として暴走した王子の話なんだなと漠然と思いました。一幕最初に新王である叔父は「次の王ハムレット」と明言しているわけですから。黙っておとなしく代替わりを待ち、愛するオフィーリアを妻にして幸せにデンマークを治める道だってあったのにね。
オフィーリアが狂乱し、死を迎えた時、ハムレットに突き返された黄色いドレスを着ていたのが痛々しかったです
それにしてもこのお話の中で一番気の毒なのって、やっぱり父を殺され、妹が発狂の末に事故死、親友と思っていたハムレットを陥れようとして失敗して自分の命も落としてしまったレアティーズだなあ。。
さて、今月はハムレット祭り次回は吉田羊さんの「ハムレットQ]を見届けてきます!