地球散歩

地球は広いようで狭い。言葉は違うようで似ている。人生は長いようで短い。一度しかない人生面白おかしく歩いてしまおう。

2007-01-18 09:36:15 | ギリシャ語

Χιονιζει(ヒィオニーズィイ)

 青空と群青色の海に白い建物、碧空を背景にしたパルテノン神殿。海、空、太陽・・・ギリシャに夏のイメージが定着しているだけに、冬は寒く、雪も降ると話すと、たいていの人が意外に思うようだ。

 アテネは街の周囲を低い山で囲まれた街である。しんしんと冷えた翌朝にはペンデリ、パルニサ、イミトスの三山が雪化粧して、冬の訪れを告げる。写真はアクロポリスの麓にあるディオニソス劇場。高層建築がないため、少し高台に上がれば、このように遠くの雪山を望むことができる。この日は一晩降り続いた雪がやんで、快晴。紀元前の遺跡にはうっすらと雪が残り、葡萄酒の神・ディオニソスも杯を傾けたくなったであろう最高のロケーションになった。

 こんな風に街に積もることは一年に一回あるかないかという程度。珍しいせいもあり、喜んで雪投げをする大人の姿も見られる。勤勉な日本人のように雪かきなどはしない。足もとが悪いなら無理に出かけず、溶けるのを待つ。「雪のせい」で学校や仕事が休みになったり、約束がなくなったりするのは、昨年の記事に書いた通り。「雪のおかげ」で出かけることもなく、静かでリラックスした一日となるのだ。

 そんな日は絶好の暖炉日和。私の住んでいたマンションで各部屋に備え付けられていたように、ギリシャの多くの家には暖炉があり、家で過ごす冬の時間を豊かにしてくれる。じっくり火を起こす。少しづつ様子を見ながら薪をくべる作業は、急いでいてはできない。あかあかとした火の色やパチパチと薪のはぜる音、木の燃える匂いを感じる。少しづつ確実に部屋に広がるあたたかさ。スイッチ一つの暖房器具と違って、心までが和むのは、最も自然な暖の取り方だからかもしれない。ギリシャの創世神話では、プロメテウスが鍛冶の神・ヘパイストスから火を奪って人間に与えたと伝えられている。

 市場の雑貨店には暖炉掃除用具や肉や栗を焼く網やフライパンなどが並び、街の薪専門店には、松、オリーブなどの薪が山と積んである。暖炉での焼き栗は定番だし、骨付きの肉を網に挟んで焼くのも、この季節ならでは。ギリシャの冬、また楽し、である。(さ)

 

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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2007-01-19 12:28:43
ああ、暖炉での焼き栗懐かしいです。
暖かいクレタでも各家庭に暖炉があったのが印象的
でした。「日本ではお金持ちの家にしか暖炉はない
のよ。」と言ったら、子どもがきょとんとした顔を
していたのを思い出します。
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motorenkoさん (さらさ)
2007-01-19 20:33:12
コメントくださったのはmotorenkoさんですよね!
やはり、クレタの家庭にも暖炉がありましたか。
焼き栗が食べたくなってきました。
(それとマロングラッセ!)
確かに日本ではめったに暖炉にはお目にかかれないし、なかなか暇もないのが現実。ギリシャの子供は
不思議でしょうね。
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Unknown (yokocan21)
2007-01-20 06:43:20
やっぱりギリシャって、雪が降るイメージないですよね。でも実際、北の地方はかなりの山岳地帯ですし、相当に寒いんでしょうね。
寒い日は暖炉の前で焼き栗、いいですねぇ。暖炉ってストーブとは違う暖かさがありますよね。うちも暖炉欲しいなぁ。
ギリシャも、〝「雪のせい」で学校や仕事が休みになったり〝ってあるんですねぇ。トルコも同じですよ。子供たちは大喜びです!
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今年は、暖かい冬のアテネです (harula)
2007-01-20 17:59:10
こんにちは。
暖炉がある家が夢だった私は、今年暖炉のある家に引越しが出来それも目の前で使っています。
しかしこれが大変。
自分でまきをうまく調節していかないと誰もやってくれませんからねー(^^)
でもこれも楽し!!ですけど。

さて今年は、去年よりも更に暖冬で雪など降る気配さえしないアテネです。
アーモンドの花は、もう咲き始めてしまうし。。

我がチビたちは、日向ぼっこが出来ると毎日ベランダへ出ては、日に当たって日光浴をしています。
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yokocan21さん (さらさ)
2007-01-21 19:20:46
トルコの寒さはいかがでしょうか。
想像以上に寒そうで、びっくりです。
ギリシャを旅をするなら、やはり夏が一番オススメですが、やはり暖炉などの冬の楽しみは、住んだからこそ味わえたものだと思っています。

トルコも雪で学校が休みになるんですね。やっぱり!
何年か前の大雪でアテネの公立学校が1週間も休みになったそうですよ!
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harulaさん (さらさ)
2007-01-21 19:26:59
お引っ越しされた新居には暖炉があるんですね~。
しかも今、使っているとは・・うらやましい!
確かに火の世話は大変ですが、楽しかったです。

今年の暖冬の話は友達からも聞いています。
お正月も海で泳いでいる人を見かけた(!)とか。
もうアーモンドが咲いているんですね~。
外カフェも混んでいることでしょう。

harulaさんのところのチビちゃんって、可愛いヨーキーちゃんでしたよね。うちもテラスで飼っていた陸ガメが日向ぼっこしてたこと思い出します。
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神々の住まう山 (elly)
2007-01-21 22:50:59
ギリシャには薪専門店なんてものがあるのですか!驚きです。それに、薪に使う木にも地域性が出ていておもしろいですね。北欧だったら樅の木といったところでしょうが、ギリシャでは、やはりオリーブ、そして海辺に生える松ですね。
私も一生に一度しか訪れることができないなら、ギリシャはやはり夏がいいんだろうなと思います。でも、もし今度また訪れる機会があれば、冬景色を眺めてみたいです。小高い丘に登って見る雪山の景色は、神聖でしょうね。オリュムポスの神々の住まいを眼前に臨むような気分にでもなれるでしょか?
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ellyさん (さらさ)
2007-01-23 09:38:02
薪はそれぞれの木の特性があり、うちは松もオリーブも両方購入して揃えていました。松は油分を含むので最初の点火に、火が落ち着いたら長持ちするオリーブに・・と使っていました。本当に地域性がありますよね。オリーブはギリシャならでは・・です。
そうですね。雪山はとても神聖な感じがします。さすがellyさん、神々の住まう山をご存知ですね!オリュンポスは勿論、デルフィーの山にはアポロンが、ペロポネソス半島のキタイロン山にはヘルメスが・・などと言われているので、ギリシャの山を見ると神話を思い出します。
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 (Xiromaki)
2007-01-26 17:12:00
さらささん、ご無沙汰しております!
今年もよろしくお願いします☆

今年はおかしな気候ですね。私もギリシャでお正月に泳いでいる人がいた、というのを聞いてびっくりしました。

焼き栗といえば、ちょっとした思い出が。
10年前初めてギリシャへ行ったとき、飛行機の中で覚えたギリシャ語を使って、屋台のおじさんに「ひとつちょうだい」といったら、にこにこして1粒渡されたこと!その後、笑いながらちゃんと一袋くれましたけど(笑)

今度、ギリシャで焼き栗を買うときまでに、ちゃんとしたギリシャ語を覚えておこうと思います…
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Xiromakiさん (さらさ)
2007-01-27 16:57:18
こちらこそ、ご無沙汰しております!

日本も暖冬ですが、ギリシャは冬がないまま春になってしまった感じらしいですね。それでも泳いじゃう、というのはギリシャ人ならではかも(笑)

焼き栗の思い出もギリシャらしいですね。人懐こそうなおじさんの雰囲気が伝わってきます。

ギリシャ語・・と言われると「今年こそは少しでも勉強せねば!」と思ってしまいます(泣)上達は無理でも忘れないようにしたいな。

今後ともよろしくお願いしますね
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