ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

準常連 舞妓茜

2012年08月28日 | 生き物 自然

 

庭の常連だったセスジツユムシ(8月18日記事)は、あの日を境に姿を現さなくなった(写真に撮ったせいか?)。多分、秋が深まった頃またどこからか出てくると思うのだが、いつもいたのが見られないとそれはそれでちょっと寂しいものだ。そんな常連とは入れ替わりに、少しずつ姿を現し始めたのはアカネ類、赤トンボの仲間だ。庭の木が一晩のねぐらになるようで、大体梅の木の上の枝の先端に止まって一泊する。見てると、それは決まったトンボではなく、どういう理由でそこに決めたのかは分からないが、毎日違ったアカネ類が、ある時は一頭、ある時は二頭という具合に止まっているのだ。これは日替わりなので常連とは呼べない。

そんな中、一泊組みではないある赤トンボがちょくちょく顔を見せるようになった。朝7時過ぎに何処からともなく現れるのはマイコアカネ、漢字で書くと舞妓茜、ぐっと風情が増すがこれも赤トンボ。知らない人が見れば十把ひとからげの赤トンボの中の単なる一頭であるが、実はこのマイコアカネ、アカネ類の中では近年急激に数を減らしている赤トンボで、この辺りでも滅多に見られない赤トンボとなっている。それがどういうわけか庭に来るのだ。ビオトープやらなんやらとよく書いているので、家の周囲は自然に恵まれていると思ってる人もいるかもしれないが、周囲は完全に住宅地。家と家の間隔は殆んどないような密着型の住宅地なのだ。ただ、奥行きは結構あり、殆んどの家には中庭と呼べるものがある。池がある家は少ない。そんな環境でのマイコアカネだからちょっとびっくりなのだ。

一般的なアキアカネ、ナツアカネなどは移動性も高く、ビル街でもいるしいろんなところにいても全く不思議ではないが、マイコアカネに関してはそれはなく、土着型で、しかもヤゴが生息できる環境が限られている。だから、庭に来ること自体が不思議なのだ。近くに発生するような環境が見当たらないのだ。考えられるのは、周辺の家の庭にそういう場所があるということだが、ひょっとすると、空き家になった家の放置された池で発生してるのかもしれない。候補は、二軒隣。今、こんなことを書いていて思い出したのだ。そこは、嘗て池で鯉を飼っていて、当主がいなくなってからは、東京にいる子供が年に何回か帰ってきて使うという状態。当然池の鯉は処分してるはずだ。そして水も入れないはずだから、自然の雨水などがたまり湿地状態となる。草も生えるし、そうなるとマイコアカネが好む環境。これぞ真正ビオトープである。今度、どういう状態になってるか聞いてみよう。

というわけで、準常連化しているマイコアカネの写真。最初の一枚は8月20日のもので、後の二枚は8月27日のもの。胸部の模様を見ると同じ個体だということが判る。これからさらに老熟すると、顔の青白い部分がより鮮明となる。それが舞妓さんの白粉姿を連想させるということでこの名が付いたということだ。割に暗い所を好むので、二枚目三枚目は一寸暗い。

 

追記:去年の9月16日にも同じようなことを書いておりました。

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