goo blog サービス終了のお知らせ 

ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

ヴィスコンティ2

2006年10月08日 | 映画


田舎に移ると、流石に見たいような映画は上映しない
ので、それらからは徐々に遠ざかっていった。
しかし、ちょっと興味のある映画の情報なんかに触れ
ると、やはり刺激される。
東京に、ちょっと小じゃれた映画館が出来た頃の話だ。
シネヴィヴァンとかそういうのが。
総称してなんて言ったか。
ちょっとしたブームだったのだが。
うーん、思い出せない。

で、結局どうしたかというと、わざわざ見に行ったの
だ。
主に、映画を見るためだけに上京。
今では考えられない身の軽さだ。
ホウ.シャオシェンの「悲情城市」
パラジャーノフの「ざくろの色」
ルノワールの「黄金の馬車」
これらが当時見たもの。

そうこうしてる内に、世の中はレンタルヴィデオ時代
に突入。
これが、一番大きかった。
見たかった過去の作品を見られる喜び。
借り方が半端ではなかった。
平均すると、一日一本が一年くらい続いた。
硬軟取り混ぜて、見たいものは一通り見た。
流石に、見たいものがなくなってきた時、運悪くか
良いのか、大型レンタルヴィデオ屋ではない、作家
中心の品揃えの個性的なヴィデオ屋が出現した。

ここで初めて「エリック.ロメール」「ロベール.ブ
レッソン」「ジャン.コクトー」「ロブ.グリエ」など
のフランス映画に触れる。
他にも「ヴィクトル.エリセ」「ピーター.グリーナウ
ェイ」「ヘルツォーク」「テオ.アンゲロプロス」「ル
イス.ブニュエルなどのヨーロッパの監督の作品を見
まくる。
日本人では「小津安二郎」を始め、「溝口健二」「川
島雄三」「加藤泰」「森一生」「三隅研二」など、そ
こにある限りを。
その総数は相当のものだった。
しかし、一番濃い「個人的映画の時代」でもあった。

基本的な見方「映画は監督のものだ」というのは、こ
のときに確信に変わった。
そして、好きな監督も徐々に変わって、「ヴィスコン
ティ」も初めの頃ほど好きではなくなり、今は「ロベー
ル.ブレッソン」「エリック.ロメール」「小津安二
郎」「森一生」あたりがお気に入りとなっている。

最後に、あのお世話になったヴィデオ屋はどうなった
かというと、あんな品揃いのおかげで当然のこと採算
が取れなくなり、あえなく閉店。
その時こちらは、ほしいヴィデオを安く譲ってもらっ
た。
そして、今現在、レンタル印の40本ほどのヴィデオ
が、マイコレクションとして棚を飾り続けている。

コメント