ブレッソンの「抵抗」を見終わった蕎麦屋の主人は、
やっぱりこういう映画の方が良い、という感想を漏ら
した。
まあ、娯楽映画は娯楽映画で気楽に楽しめば良いし、
この手と比較してもあまり意味は無い。
確かに、映画の個性という観点からすれば、ほかとは
違う明らかな差異が感知されなければ、見る価値が無
いとは言える。
その点ブレッソンは、「ブレッソンの世界」という確
固たるものがあるから、代替不可能な個性というもの
を充分に堪能できる。
画家の作品を見るのと同じ感覚、と言えばよいか。
娯楽映画とは根本的に違う、同じ映画という名が付く
別物が存在している、ということなのでしょう。
そうなると違う監督の作品も紹介したくなる。
エリック.ロメールあたりが良いか。
まずは、秘蔵のヴィデオから「モード家の一夜」なん
かを、と密かに思っているのだが。
そう言えば、昨日のマラソン親娘は、なんとか完走し
て(ハーフマラソン)、その後温泉に入りその「蕎麦
屋の主人」の蕎麦を食べに行った。
時間はすでに2時過ぎ。
ゆっくり食べてきたと思ったら、店は、同じようなマ
ラソン帰りの客で大賑わいだったらしい。
大盛況に、思わずにんまりだったのではないだろうか。