『みちしるべ』 by 阪神間道路問題ネットワーク

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『みちしるべ』**第35回 道路全国連 全国交流集会 に参加して**<2010.1. Vol.62>

2010年01月05日 | 藤井隆幸

第35回 道路全国連 全国交流集会 に参加して

藤井隆幸

  全国交流集会に参加するに当たり、阪神間道路問題ネットワークの貴重な財源の中から、補助を頂きましたことに感謝申し上げます。遅くなりましたが、参加報告を掲載させていただきます。

 まず、これまでは『道路公害反対運動全国交流集会』という名称を使っていました。歴史的な名称は保存すべきとの意見もありますが、何といっても長ったらしいのは事実です。そして『反対』という庶民受けしない文字も気になります。そこで、これまでの名称は存続しつつも、『道路全国連』を通称とすることになりました。それに『全国交流集会』をつけることとします。今後は、この名称で宜しくお願いします。

 さて、昨年10月24日~25日にかけて、横浜で行なわれました。初日は昼から現地見学で、貸切バス1台と伴走車で横浜環状南線の現地を視察しました。生憎の小雨で、現地で待っていてくれた住民の方々も、「充分に見てもらえなくて残念」ともらしていました。しかしながら、住宅街のど真ん中を抜く計画や、とてつもない巨大構造物にする無駄と、公害を気にしない計画が、よく理解できて良い視察会と感じました。千葉の市川市で行なわれた全国集会では、ちょうど台風が来てしまい、現地見学が中止になったという前例もあり、小雨は許容範囲内であったと思います。

 かつて、兵庫で全国集会が2回ありました。全体集会が行なえる数百人規模の会場、50人規模の分科会の会場が複数、そして懇親会ができる飲食を伴うパーティー会場も必要です。何と言っても、全国からの参加者に安価な宿泊所も用意しなければなりません。それらの施設が一体となっていることが理想です。前回の兵庫で行なった時は、それぞれの施設がまとまって取れず、殆どの施設が直近にしか申し込めずに大変でした。初日と2日目の全体会の会場が別で、分科会も殆どが2日間で別会場となりました。懇親会も別のホテルを用意し、宿泊施設も何箇所かに分散したてしまいました。称して『ジプシー集会』と銘々されてしまいました。

 その点、今回は横浜市職の労働組合が所有する、「横浜市従会館」と隣接する同所有の「いせやま会館」で総てが行なわれました。ですから、現地見学から会場につくと、2日間、総て移動なしで行なわれました。日頃から、労働運動と市民運動が連携しているみたいで、非常にスムースな運営がされました。“呑んべ”の方たちだけは、初日の夜に紅い灯、青い灯に誘われて脱走したようですが。

 初日、現地視察と懇親会の間に、短い全体会が行なわれました。計画では、現地の団体から特別報告が、10分程度で3本だけのはずでした。ところが、事務局が当日資料を持ってきた方は提出してくださいとアナウンスしました。我等が阪神ネットの神崎さんは、事前に資料原稿を送ることができず、当日の持込でしたので提出しました。司会者の方は勘違いして、資料を提出した神崎さんにも発言を求めました。

 急に発言を求められた神崎さんですが、そこは持ち前の冷静さで、いつもの調子で報告を始めました。NO2のカプセル調査により、県道尼宝線の自排局データとの関係から、尼宝線と山手幹線の実際の汚染程度を推計する報告でした。多分、実行委員以外は予定の報告だと思っていたことでしょう。ハプニング報告であったのですが、参加者の多くが感心していました。データが少ないので、断定的にいえない側面もありましたが、カプセル調査で何ができるのかの提案として、高く評価されました。

 初日の夜は宿泊部屋で、思い思いに飲み会がありました。これも各団体の交流に貢献しているものと思います。日頃は、そんなに早く寝ないものですから、結構、長く呑み語り合ったように思います。

 2日目の基調報告は全国連事務局長の橋本さんが行ないました。内容は前号に掲載の集会アピールの内容というところでしょうか。基調講演は五十嵐敬喜(弁護士・法政大学教授)さんの「これからの道路行政は?」でした。政権が民主党を中心とする連立内閣に代わりました。期待すべきところと注意すべきところを話されたようですが、私が水で薄めてお湯で溶いては、誤解が生じるので止めます。折から、広島県福山市の鞆の浦(崖の上のポニョの舞台)の景観訴訟で、広島地裁が画期的な判決を出しました。その特別報告が弁護団の方からありました。最後の特別報告は西村隆雄弁護士から、新たに設定されたPM2.5の環境基準について説明がありました。この問題は、今後、道路公害で注目されることになるでしょう。

 その後、三つの分科会が行なわれました。私は「行政・事業者による審議会・委員会等の問題点とあり方」に参加しました。一番参加者が少なかったのですが、それなりに活発な意見交換がありました。これまで完全な密室であった、これらの会議が、住民運動により公開の方向で動いることが感じられる分科会でした。まだまだ充分ではなく、インターネットの活用など、色々の提案がありました。

 最後に、この横浜大会に阪神ネットから、「みちと環境の会」の神崎さん、「中の自然と住環境を守る会」の西田さん、それに私の三人が参加したことを報告しておきます。道路全国連の全国集会も、今回で35 回目を迎えました。15回目と25回目に記念出版していますので、今回も首都圏チームで出版の準備をしています。原稿は締め切りが過ぎていますが、我が運動をという方は3000字程度で書いてください。1月中に送れば、何とかなると思います。また、ホームページも出来ました。まだ、コンテンツが整わないのですが、提案があればお知らせください。道路全国連のメーリングリストもありますので、参加希望の方はご連絡ください。

 以上、参加報告とさせていただきます。

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