『みちしるべ』 by 阪神間道路問題ネットワーク

1999年9月創刊。≪阪神道路問題ネット≫交流誌のブログ版。『目次』のカテゴリーからの検索が便利。お知らせなども掲載。

『みちしるべ』住民とともに歩む☆住環境と安全を守るために**<2007.9. Vol.48>

2007年09月02日 | 神崎敏則

住民とともに歩む
住環境と安全を守るために

みちと環境の会 神崎敏則

尼宝線を順次4車線化に拡幅

 県道尼宝線は、阪神地区の南北を結ぶ基幹道路として位置付けられています。南端は、阪神高速5号湾岸線の末広ランプで、ここからほぼ一直線に北上して中国自動車道路・宝塚IC――正確な北端は国道176号線小浜交差点ですが、この交差点の一つ手前の小浜南交差点で宝塚ICのジャンクションに分岐しています――とを結ぶ全長12.4kmの道路です。このうち約半分は従来から4車線でしたが、尼崎の武庫之郷北交差点から宝塚市小浜交差点までを7つの工区に分け、また、国道43号線より南側の部分を3つの工区に分けて、拡幅整備が順次進められてきました。そして今、尼崎市の武庫之郷北交差点から伊丹市との市境までの1.1kmが拡幅整備されようとしています。

住環境は劣悪

 尼宝線で県がおこなっている環境測定の地点は、武庫総合高校に置かれています。ここで騒音や排ガス物質の一つである二酸化窒素濃度を測定しています。この測定ポイントは今回の拡幅整備区間の中にあり、まだ2車線部分なのですが、現状でも2万7千台もの交通量に達しています。騒音は環境基準をすでに超え、二酸化窒素も環境基準の上限近くを推移しています。

 尼宝線の沿道に暮らす住民のみなさんは、住環境の問題を心配しています。

開き直る担当課長

 05年12月にようやく開かれた住民への説明会では、西宮土木の担当課長は「尼宝線のように1日2万7千台も交通量がある道路で、騒音の環境基準を越えるのは当然で、国道の8割は基準を超えている」と開き直りました。私たちは、その発言への抗議の思いを込めて、翌年二月に要望書を122名の連名で提出しました。課長はその年の4月に異動しました。

 新しい課長は06年12月にやっと住民への説明会を開きました。騒音対策として遮音壁の設置を求める住民に「ここに遮音壁を設置したら、県道のあちこちに設置しなくてはならないことになり、そんな予算はとても無理」と検討することさえ拒否しました。納得のいく回答がされていないので再度説明会の開催を執拗に求める住民に対し、しぶしぶ再開を約束しました。しかし、課長はその後住民への説明会を開こうとはしません。

住民の思いをパンフレットに

 騒音や排ガス、歩道の安全性をテーマごとに問題点を整理し、住民の要求を対峙して、住民のみなさんの思いを掲載したパンフレット作成しました。

 住民のみなさんは自身の思いを訴えています。言葉の選び方はみなさん慎重です。怒りが表に出ないように、丁寧な言葉を選んで書いておられます。激しい言葉は避けても言いたいことは確かにあると、淡々とした文章の中に、そこで生活するみなさんの思いが伝わってきます。

 武庫の里1丁目に住むOさんは、「道路側の部屋は普段はなるべく使わないようにしています」と極力感情を抑えて語りました。

 武庫之荘5丁目のPさんは、「時折トレーラのきしむ音で目が覚め、それから眠れない日もあります。騒音対策として窓を防音ガラスにしたのですが、大して効果は無く、窓もずっと閉めたままです。夏の夜などはクーラーではなく窓を開けて風を取り入れたいのですが、騒音が酷すぎて窓を開けるのが怖いくらいです。“窓を開けて生活をしたい"と願うことがそれほど贅沢な望みでしようか?」と切々と訴えました。

あきらめるわけにはいかない

 これから私たちは、住民が納得できる環境対策を求めて県との話し合いを重ねていく予定です。9月末に担当課長に連絡すると、課長は説明会を開く意思のないことを述べましたが、それであきらめることはできません当課長が開きたくなくても、説明会をしっかりと開催させます。住環境がいかに大切かということを、分かるまで言い続けます。そのためには、多くの住民が自分の思いを出し合うことが必要です。パンフレットでは、住民のみなさんのお一人ひとりの思いにこだわってきました。これらの思いを県にぶつけていきます。

パンフレットの購入をお願いします

 このパンフレットは、住民の思いを形にして、環境を守る運動を広げるために作成しました。尼宝線沿道の住民には、すでに600部以上配布しました。しかし、印刷費がまだまだ賄えません。読者のみなさんに購読をお願い申し上げます。

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バンフレット
『住民の声を聴け――窓を開けて生活したい』

一部300円 (3部以上ご注文の場合送料無料)

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