小幡憲仁 議会活動日記

よく考える政治!
20年後の高浜をイメージし、今の政治を考える。

3月定例会:最終日

2008年03月21日 | 議会活動報告
3月定例会の最終日です。
午前中、全員協議会が開催され、午後から本会議が開催されました。

今議会に上程された理事者提案の議案は全て可決いたしました。私も全ての議案に対し妥当と判断し賛成しました。

後期高齢者医療制度の廃止を求める陳情については、厚生文教常任委員会の採決で賛成少数で不採択、本会議の採決でも賛成少数で不採択となりました。
私はこの陳情について本会議の採決では賛成しました。
厚生文教常任委員長として、委員会の審査結果が「不採択」である報告を行いましたが、これは委員会の審査結果であって(委員長は委員会運営に際し中立の立場から採決には参加しない)委員長である私の意志ではありません。従って、議席に戻って一議員の立場になれば自分の意思に従って委員会の審査結果と反する賛否を表明することはあり得ます。

また、委員会の提案で「後期高齢者医療に関する意見書」を提案し採択されました。

以下、少し長くなりますが、本会議での厚生文教常任委員会報告と、採択された「意見書」について掲載しておきます。

【平成20年3月議会厚生文教常任委員会委員長報告】

去る、平成20年3月18日(火)、役場3階会議室におきまして、委員8名全員出席のもと、厚生文教常任委員会を開催し、当委員会に付託された5つの特別会計の新年度予算ならびに後期高齢者医療制度に関する要請陳情について審査を行いました。主な審査過程と結果について報告いたします。

■議案第16号:平成20年度高浜町国民健康保険特別会計予算

退職者医療制度で医療を受けることができる年齢が64歳以下となったことに伴い、65歳以上74歳未満の方を前期高齢者として区分する制度改正についての質問があり、この制度改正により、退職者医療制度で医療を受けられるのは64歳までの被保険者となり、65歳から74歳までは一般被保険者になること。そしてこの65歳から74歳までの被保険者を前期高齢者として区分けされ、この医療費に対して、各保険者からの拠出金によって賄われることになり、そのための歳入を社会保険診療報酬支払い基金から前期高齢者交付金として計上していることの説明がありました。

次に歳入で、その他繰越金500万円を見込んでいる理由について質問があり、年々、繰越金が増加傾向にあることから、新年度は当初予算段階で確実に見込める繰越金を500万円予算計上したとの説明がありました。

また、新年度から、新たに開始される特定健診の委託先についての質問があり、集団健診については福井予防医学協会に、個別健診については高浜病院にそれぞれ委託する予定であるとの説明がありました。

討論では、新年度から後期恒高齢者医療制度が導入され、高齢者の負担が増大していくことや、診療報酬体系が別立てとなっているために高齢者の医療差別につながるなど問題の多い制度であり、制度そのものに反対との理由により、当初予算案の反対討論がありました。

また、賛成討論として、国民皆保険制度のもと、少子高齢化により現在の保険制度の維持が難しい状況の中で、今後も健康保険制度を持続可能なものとするためには、必要な制度改正であり、特に過疎化や高齢化が進む地方の国保会計が今後ますます経営が厳しくなっていくことから、県全体で高齢者医療を支えていく制度は必要であるとの討論がありました。

その後採決の結果、賛成多数で原案可決いたしました。

■議案第17号:平成20年度高浜町国民健康保険診療所特別会計予算

医師賃金1,467万4千円の内訳と、高浜病院への医師派遣料についての質問があり、医師賃金としては、嘱託医867万4千円、皮膚科専門医120万円、研修医が480万円であるとの説明がありました。
高浜病院への医師派遣料の収入については、収入を一般会計か診療所特別会計のどちらで受けるかが確定しておらず、補正予算で対応するとの説明がありました。
また、診療所備付のTV会議システムの利用状況について質問があり、毎週行われる福井大学医学部との診療情報等の会議などに広く使用されているとの説明がありました。

討論は、特になく、採決の結果、全員賛成で原案可決しました。

■議案第18号:平成20年度高浜町老人保健特別会計予算

柔整(じゅうせい)と鍼灸(しんきゅう)の医療費給付実績についての質問があり、月平均で柔整(じゅうせい)の実績が40~50件、コルセットの実績が10件程度あることの説明がありました。

討論は、特になく、採決の結果、全員賛成で原案可決しました。

■議案第19号:平成20年度高浜町後期高齢者医療特別会計予算

この制度の対象被保険者数の質問があり、最終的には平成20年4月のスタートを待たないと正確な人数は出ないが、おおよそ1670人になるとの説明がありました。

また、電算機の改修を含めて474万2千円の予算が計上されているが、改修を除いた保守管理料の金額の質問があり、改修がない場合は、保守管理料のみで41万6千円であることの説明がありました。

反対者から討論省略の通告があり、採決の結果、賛成多数により原案可決いたしました。

■議案第20号:平成20年度高浜町介護保険特別会計予算

介護保険制度の改正に伴い、特定高齢者に対する予防サービス事業を始めて1年が経過するが、これまでの活動状況とその後のフォローについての質問があり、介護予防が必要な対象者に対し、週1回、理学療法士の指導のもと、運動機能維持の向上を目的とした教室を、1クルー6ヶ月間で実施している状況の説明がありました。
また、過去に教室に参加された方を対象に年数回のフォロー的な教室を開催していく方針が示されました。

次に、趣旨普及費の予算が前年度より減額されていることから、介護保険制度の広報活動が手薄になるのではとの懸念に対し、既に介護保険制度については住民に広く認識されている制度であり減額しても問題ないとの認識が示されました。

また、電算機器の保守管理委託の契約方法について質問があり、介護保険に使用する電算機器の保守管理は、当町の総合行政システムとの関連性から株式会社ケイズに随意契約にて発注している旨の説明がありました。

討論は特になく、採決の結果、全員賛成で原案可決いたしました。

■陳情第1号:後期高齢者医療制度に関する要請陳情

まず、陳情内容について陳情者である、嶺南地域社会保障推進協議会の会員で、当委員会委員の渡辺委員から説明を受け、その後、審査を行いました。

後期高齢者医療制度が高齢者に多くの経済的な負担を強いるものであり、更には別建ての診療報酬制度によって、高齢者の医療差別につながることから、制度を中止撤回すべきであり、従って、陳情の採択を求める意見と、一方で、国民皆保険制度のもと、市町村の高齢化率の違いによる国保会計の経営格差を是正し、保険制度を持続可能なものとするためには、都道府県が保険者となる後期高齢者医療制度は必要な制度であり、従って制度の廃止を求める陳情は不採択とすべきとの意見に分かれました。

最終的には、陳情の採択について委員会の採決に付し、賛成少数で不採択と決しました。

なお、この審査過程で、後期高齢者医療制度の廃止撤回までは求めないものの、被保険者の過度な負担を強いることがないよう、必要な措置を求めていくことは必要であるとの意見が出され、議論の結果、最終的に制度の改善を求める意見書を提出することで委員会の意見の一致を見ました。

このため、本日、21日午前8時30分から厚生文教常任委員会を再開し、後ほど追加議案として上程させていただきますが、意見書案について審査していただき、委員会発委として提案することを全会一致で決定いたしました。

以上、委員会報告とさせていただきます。

【後期高齢者医療制度に関する意見書】

今年4月から75歳以上の高齢者を対象とする「後期高齢者医療制度」が始まる。
福井県においても、後期高齢者医療広域連合を設立し、構成市町とともに制度の実施に向けた準備作業が進められているところである。
本制度は、新設される医療保険制度に75歳以上の後期高齢者を加入させて、原則として加入者全員から保険料を徴収することとされている。これまで被用者保険の被扶養者となっていた高齢者に対しても新たな負担が生ずることとなる。
一定の軽減措置や激変緩和措置もとられているが、今後の医療費の増大、後期高齢者人口の増加により、保険料の負担割合が増加する制度設計となっている。
また、後期高齢者に対する新たな別建ての診療報酬体系の設定により、医療サービスの提供に格差が生じることが懸念される。
医療や介護にかかる高齢者の負担が増大する中、負担のあり方については十分な配慮が求められる。
よって、国におかれては、被保険者に過度な負担を強いることなく、安心して医療サービスを受けることができる制度となるよう、国の責任において財源措置を含めた必要な措置を講ずることを強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。


平成20年3月21日

福井県高浜町議会

 (あて先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣