インドでの最終日にちょっと外出してみた。
ホテルを出たところでリキシャを拾う。
リキシャとはauto-rickshawのこと、三輪自動車である。
ゴルフ場のカートのようなものでスピードは出ないしエアコンもない何とも緩い乗り物である。
「運ちゃんにどっかに連れて行ってくれ」と適当に頼む。
「イエス・猿(Sir)! マハラジャの城に連れて行きまっさ」
マハラジャとはインドの土豪のこと。
楠木正成のような存在である。
トコトコと市中を走って行くと、牛が悠然と歩いている。
噂に聞く「野良牛」。
インドでは牛は聖なる動物なので虐待されることはない。
もちろん野良犬もうろうろ。こいつは狂犬病の病原菌を持っているので要注意。
マハラジャの城といっても日本の城とは違う印象、開放的な巨大な民家。
勝手に入っていいのかと心配すると「ノープロブレムでっせ」。
ずんずん踏み込んでいく。
石造りの柱や調度品などはまあ貴族趣味といえなくもない。
「これは象の足ですわ」。
足をぶったぎって脚にした椅子が置いてあった。
巨大なベッドに何やら人が寝ている。
彼がマハラジャらしい。
運ちゃんとちょっと話なぞしている。
何とも豪快なツアーである。
繁華街に寄って怪しげな店でシヴァやガネーシャ像の土産を購入、ホテルに戻ってきた。
料金とチップを払って運ちゃんとお別れしようとするとモジモジしている。
チップが足らなかったのかとも思ったが持っていたLarkをあげるとうれしそうだった。
仕事をさぼってのショートトリップ、とてもおもしろかった。