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No22 京都映画祭「幕末剣史 長恨」伊藤大輔監督

1926年。サイレント。
現存するのは、全体の6分の1で、最終巻の13分のみ。
しかし、よくぞ、この最終巻だけでも残ってくれたと
感謝したい。

ここに展開するのは、
撮る側、撮られる側の、汗と努力の結晶のような映像。

主人公、大河内伝次郎が、
弟と恋人を逃がし
その幸せを祈りつつ、
多勢に無勢の中で、
斬りあい、最期は死んでいく。

画面から、
主人公の思いが、情念がにじみでて
涙なしでは観られない。

伊藤監督は、
大河内の立ち廻りのシーンに、
弟と恋人が逃げるシーンや
追っ手が次々と追っかけ、走るシーンを
はさみこんでいく。
このカットバックの見事なこと。
しかも、弟たちの姿は、はじめ大きく、
次第に、遠景になって
小さくとらえられるようになるのである。
見事な心理効果だ。

全速で追いかけ、切りかかる追っ手たちと
大河内の必死の形相での立ち廻りは
自信をもって
ちゃんばらの傑作と言えよう。
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