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No16「小早川家の秋」小津安二郎監督

小津といえば、
家族を静かに描いた、淡々とした作品、という
イメージがあるが、
本作品は、小津監督が宝塚映画に出向して撮ったせいか、
どことなく、おおらかな作品に仕上がっている。
番頭2人の会話の妙や、
父、中村雁治郎と長女、新珠三千代の口けんかなど
何度も場内から笑いが起こった。

昔の女とばったり会って、足繁く通う中村がかわいらしい。
新珠が、あてつけに、箪笥から父の外出用の着物を出すシーンや
かくれんぼにかこつけて、
今度は中村が箪笥から着物を出して、
こっそり着替えて出て行くなど
細部におもしろさが満ちている。

にしても、二階の階段に上っていくシーンや
廊下を歩いていくシーンなど
室内で部屋から部屋へと移動するシーンのなんと多いこと。
どうして、そんなにこだわったのだろうか。
歩いていく姿。時間。

小津は、歩き方にもこだわったという。
白い足袋や靴下できれいに歩く女優さんたち。
ある時は、いそいそと急ぎ足、ある時は、ゆっくりだったり
その廊下にもほうきがかかっていたり、瓶が置いてあったり。
なぜか、気になったりしている。
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