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No20「歌うつぐみがおりました」オタール・イオセリアーニ監督

ソ連グルジア共和国生まれの監督の1970年の作品。
もちろん白黒。

オーケストラの若き奏者ギアは、
職場でも、遅刻の常習犯。
遅刻したけど、間一髪で、演奏に間に合う
タイミングが、なんともユニーク。

フィリップ・ジェラールと
ヒュー・グラントを足して2で割ったような
男前のギア。
彼は、いつも街をすたすたと歩いている。

街中が彼の知り合いみたいに
彼が歩くそばから、何かが起こる。
ある時は、道で測量の仕事中の仲間に声をかけ、約束していたレコードを貸し
またある時は、上から植木鉢が落ちてきて、危ない目にあったり、
見知らぬ女性に声をかけたり
車から仲間に呼び止められて、酒に誘われたり
美しい女性2人連れにみとれたり・・・。

仲間が多く、次々と、約束をするから
体が何個あっても、足りないせわしさ。

込み合った街の歩道をすたすたと歩く姿が
颯爽としていて、すばらしい。
車がせわしなく行きかう道路を無理やり横断する姿も。

人生って、ちょうど、ギアのような感じ。
あれこれ、次々とこなしていくうちに
夜がきて、昼がきて、
どんどん時間が過ぎていって・・

なんだか、とってもみずみずしい感覚に
あふれた作品。

この監督、最近作「月曜日に乾杯」(2002年)でも、
見事な時間感覚を感じさせてくれたが、
その萌芽が、ここにあった。
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