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No12 「茶の味」石井克人監督

春野家の人々の風景。
好きな子ができた高校生のハジメ
もう一人の自分が、自分を見ているのがみえる小学生のサチコ
何かいつもしきりに書いている母
あんまりしゃべらない父
かなり「とんでる」はちゃめちゃな存在の祖父。

あまり会話のない食卓。
いつもの風景が淡々と綴られていく。
ばらばらのようで、そうでもないらしい。
なにかのんびりした空気が流れていて
その感じがすばらしい。
たとえば、
サチコが縁側の陽だまりでぼっとしている。
なんとなく時間が経っていくのが伝わる。

ぼそぼそとしゃべる変なおじさんがいて
そのぼそぼそした感じもすばらしい。

子供のころ、そういう「とき」があったなあと思える、
人生の中の、ある「とき」を、見事に映像におさめている。

ほわっとした顔のハジメが、自転車で疾走する姿もすばらしいし、
好きな女の子に傘を渡して、
雨の中を駆けていく、体中から嬉しさがあふれだしそうな姿も忘れられない。

冒頭の長いワンシーンも、
物語が終盤に向かうにつれて、気にならなくなる。
クライマックスのひまわりをあなたはどう受け取るか。

人間と空と山と風と音楽と・・・
至福の「とき」の中にひたることができる作品。
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