温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

栃尾又温泉 自在館 その5(うけづの湯)

2015年08月10日 | 新潟県
前回記事の続きです。
今月に入ってから栃尾又温泉「自在館」のお風呂に関して連続して取り上げてまいりましたが、ようやく今回の記事でおしまい。貸切の露天風呂「うけづの湯」に連載のラストを飾っていただきましょう。


 
前回記事で取り上げた貸切内湯「うさぎの湯」や「たぬきの湯」と同じくエレベータで地下1階へ下りるのですが、エレベータから出た後はすぐに右へ折れ、廊下を進んでゆくと、その突き当たりに「うけづの湯」の出入り口がありました。引き戸の脇にぶら下がっている札を裏返して「入浴中」にし、いざ入室です。


 
 
民芸調の内装が施された脱衣室は広くて快適。洗面台も設置されており、使い勝手も良好です。内線電話も引かれていますので、万が一の時も安心ですね。棚の上には、籠の代わりに箕が用意されていました。


 
ゆとりのある脱衣室に反し、主役である露天風呂は意外にもコンパクト。建物の壁に沿って細長い岩風呂が設けられており、庇が伸びて全体を覆っているので、雪の日でも冷たい思いをせずに入浴可能です。この庇の先には簾が下げられており、材木や岩などと相俟って和の温泉風情を醸し出していました。なおスペース的な問題なのか、洗い場は設けられていませんので、露天の利用に際しては、事前に「うえの湯」や貸切の内風呂で汗や垢を流しておくべきかと思います。


 
コンパクトとはいえ、浴槽は2~3人同時に入れそうな容量を有していますので、カップルやご夫婦なら一緒に入ることもできそうです。ステップ部分や槽内は岩および石板敷きですが、長辺にあたる縁には丸太が渡されており、ここに頭を載せて入浴すると良い具合に湯に浸かることができました。
浴槽奥の配管から吐出されているお湯は、貸切内湯(「うさぎの湯」や「たぬきの湯」)と同じく、沢の対岸に源泉がある栃尾又自在館1号で、温度が低いために加温されており、私が利用した日のような寒い時期には循環も行っているんだそうです。それにしても、真冬の露天風呂で40℃以上をキープさせるのですから、燃料代は相当なものになるのだろうと察します。お湯は無色透明で無味無臭、癖がなく優しく軽やかな浴感でした。


 
浴場名の「うけづ」とは対岸の山の名前なんだとか。手の届くところに雪がたんまり積もっていましたので、その場で雪だるまを作って、浴槽の縁に飾ってみました。この温かくて優しいお湯に浸かっていれば、あたりを深く覆う冷たい雪までもが温もりあふれる景色に映ります。

多様なお風呂と安らぎをもたらす霊泉で宿泊客を楽しませてくれるこちらのお宿は、まさに湯治のテーマパーク。お風呂のみならず、客の痒いところに手が届く細かな配慮も実に素晴らしく、滞在した一晩の間に、心をすっかり鷲づかみされていることに気づきました。


栃尾又自在館1号
単純弱放射能温泉 28.5℃ pH7.9 77L/min(自然湧出) 131×10^-10Ci/kg(35.9マッヘ) 溶存物質226.6mg/kg 成分総計227.1mg/kg
Na+:24.6mg(37.95mval%), Ca++:33.4mg(59.22mval%), Sr++:0.2mg,
Cl-:10.6mg(11.45mval%), SO4--:89.9mg(71.37mval%), HCO3-:25.9mg(16.03mval%),
H2SiO3:39.7mg,

新潟県魚沼市栃尾又温泉
025-795-2211
ホームページ

私の好み:★★★


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