温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

琴平温泉 ことひらゲストハウス縁 および家族風呂

2020年11月07日 | 大分県
今回も引き続き2019年12月に巡った九州の温泉についてご紹介いたします。
大分県の小京都として観光客から人気が高い日田市には、前回記事で取り上げた天ヶ瀬温泉という有名な温泉地があるほか、日田駅付近にも数軒の温泉旅館が営業しているのですが、日田市街地からちょっと離れた郊外にも人気の温泉があるので、宿泊を兼ねて訪ねることにしました。

その温泉の名前は「琴平温泉」。九州なんだか四国なんだかわからなくなる名前ですが、間違いなく九州の日田に湧く温泉です。日田駅から3キロほど離れた郊外にあるのですが、路線バスなど公共交通機関でのアクセスが難しいため、駅前からタクシーに乗って現地へ向かいました。タクシーの運転手さんもよくご存じで、曰く人気の温泉なんだとか。


途中から離合が難しい川沿いの狭い路地を進んでゆくと、やがて旅館・露天風呂・焼肉屋や居酒屋・家族風呂などがひとかたまりになった区画に行き着きます。今回私はこの塊の中にある「ことひらゲストハウス縁」で宿泊することにしました。いろいろと建物がわかれているので初めどこを訪ねて良いものか迷いましたが、とりあえず家族風呂の受付前でタクシーを降ろしてもらい、受付のおじさんに声を掛けると、チェックインはここでOKとのこと。


ゲストハウスは家族風呂受付の裏手にある蔵のような建物です。というか、実際の蔵を宿泊施設として改築したのかもしれません。
園内は昭和レトロなおもちゃや飾りが随所に並ぶ独特な雰囲気です。


建物をぐるっと回った裏手の駐車場側にゲストハウスの玄関があります。引き戸を開けると・・・


中にはどなたもいらっしゃいません。どうやら宿泊客は自由に出入りできるみたいです。
重厚な柱や梁に関心しながら、今回宛がわれた2階の105号室へ。




室内は広く、レトロ調でまとめられた調度品も凝っており、なかなか快適です。エアコン・テレビ・Wi-fiも利用できます。


室内にはちゃんとトイレと洗面台も備え付けられています。
この日は素泊まりで8,000円でした。ちょっと高いけど広くて快適だし、後述する温泉にも入れるのだから満足だ、と初めのうちは喜んでいたのですが、私が泊まった年の暮れは九州でもしっかり冷え込み、蔵を改築したようなこの部屋は底冷えが厳しく、暖房を最強にしてもなかなか温まらなかったので、部屋にいる時はダウンを着込まざるを得ませんでした。もっとも、部屋によって事情は異なるかもしれませんが、厳冬期の宿泊をご検討の方は防寒対策を念頭に置いた方がよさそうです。


素泊まりですが、敷地内には焼肉屋と居酒屋が営業しているので、少なくとも夕食を食べ損ねることはないでしょう(朝は何もないので、訪問前にあらかじめコンビニ等で食料を調達しておきましょう)。ネット上の口コミを拝見しますと、皆さん焼肉屋さんで食事なさっているようですが、へそ曲がりな私は敢えて焼肉屋ではなく居酒屋へ入ってみることにしました。
※焼肉屋さんはその後閉店してしまったようです。




賑わっている焼肉屋とは対照的に、客は私一人だけ。お店に入った時、店員の方は内職のような作業をしており、冴えない様子にちょっと不安になってしまったのですが、ご当地グルメの日田焼きそばと地鶏炭火焼、そしてぜんざいを注文したところ、なかなかの美味だったので、食後には不安がすっかり霧消していました。

さてゲストハウスの宿泊客は、夜22時までゲストハウスと同じ運営会社が営業している露天風呂「ゆめ山水」を何回でも利用することができます。また翌朝は家族風呂を利用することもできます。もちろん私は両方入ったのですが、「ゆめ山水」を取り上げると記事の量が増えてしまうそうなので、そちらは次回記事にまわすことにして、今回記事では翌朝利用した家族風呂をご紹介します。



琴平温泉の家族風呂は16室あるのですが、そのうち泊まった翌朝に宿泊客が利用できるのは受付前の4室のみです。


ちなみに前日のチェックイン時、16室ある家族風呂は全て利用中で、しかも空き待ちのお客さんが数組いらっしゃいました。それほど人気の施設なんですね。


さて、宿泊客が使える4室のうち1室に入りましょう。引き戸に掛けてある札を裏返して中に入ります。


脱衣室は3~4人家族が使っても窮屈さを感じない広さがあります。もちろん一人の私には十分すぎるスペースです。


こちらがお風呂の全景。なかなか立派でしょ。
家族風呂というと、一般的には小さく区切った部屋に浴槽と洗い場だけがある狭い空間を思い起こしますが、こちらは立派な岩風呂が設えられており、宿の大浴場でも通用しちゃうほどの空間が確保されています。なるほど人気を博すのも納得です。


洗い場は2つ。家族間で揉めることなくシャワーを使えそうですね。子供とお母さんがまずシャワーを浴び、お父さんは脇で待機、かな。


入室時、お風呂は空っぽです。浴槽の排水口に栓をして、チェックイン時に渡される専用コインを室内にあるタイマーに投入すると、自動的に温泉が吐出されます。


初めのうちは勢いよくお湯が出てくるのですが、湯船の水位がちょうど良くなるころになると、勢いが弱まってチョロチョロと出るように調整されます。


5~6分でお湯が溜まります。ゴツゴツとした男性的な岩風呂には薄く黄色に笹濁ったお湯が張られます。次回記事で取り上げる露天風呂のお湯と同じ源泉かと思われますが、露天風呂より色・味ともに薄く、しかも適温に調整されているので、おそらく加水されているのではないかと推測されます。この湯加減が実に素晴らしく、いつまでも長湯していたくなるような絶妙な加減なのですが、1時間制限なのが悲しいところ。
なおお湯からは少々の金気味とカルシウム風味、そしてほろ苦みが感じられます。湯中ではツルスベとキシキシが拮抗する浴感を得られるのですが、どちらかと言えばツルスベの方が優勢かもしれません。
タイマーが機能している間はお湯が注がれ続けますので、完全かけ流し状態となり、湯尻からしっかりオーバーフローします。なお湯船には水位センサーがあるらしく、湯嵩が一定以上減ると湯口から再び勢いよくお湯が吐出されます。このため、退室時には排水口の栓を抜かずそのままにして退室してください(栓を抜いて水位が減ると湯口から勢いよくお湯が出てしまいます)。

次回記事では露天風呂「ゆめ山水」について述べます。

次回につづく・・・


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1 コメント

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Unknown (ぬる湯マスター)
2020-11-25 21:03:44
こんばんわ^^。
大分から、青森とは凄まじい移動距離!
常にバイタリティに溢れるKI殿を尊敬します。
たまに出て来る料理の写真はいつも大変美味しそう。
やはり九州は地鶏、小腹の空く時間には目の毒です^^。
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