温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

天ヶ瀬温泉 旅館本陣

2020年10月27日 | 大分県
※本記事は2019年12月に訪問した際の様子を述べています。
2020年7月の豪雨災害により現在こちらのお宿は休業中です。一日も早い復興と営業再開を祈念する意味も込めまして、今回記事に致しました。本記事をご覧の際には事情をご理解賜りますよう何卒お願い申し上げます。


天ヶ瀬温泉「旅館本陣」で日帰り入浴を楽しませていただきました。川の左岸を行き来する駅前通りとは反対側の右岸に位置しており、目の前には河原に点在する共同浴場の一つ「益次郎の湯」があります。すぐ目の前を川が流れる眺めの良いロケーションです。


玄関からお邪魔し、帳場で日帰り入浴をお願いしますと、快く受け入れてくださいました。やや古風な建物な建物ですが、清掃が行き届いており、本陣という言葉を宿名にする矜持が伝わってきました。


宿の建物は傾斜地に沿っており、お風呂は眺めの良い最上階に設けられているのですが、エレベーターが無いため、階段を延々と登ることになります。脚が不自由な方やお年寄りには厳しいかもしれませんが、健常者でしたらむしろ足腰が鍛えられて健康促進に役立つでしょう。ちょっとした困難を乗り越えるからこそ、その先で待っているご褒美はより素晴らしいものになるのです。


途中の踊り場にある流し台など尻目にどんどん上がってゆきますと、最上階のちょっと手前で「姫湯」、つまり女湯の前を通過しました。殿方はさらに更に上へ。


やっと浴場までたどり着けました。どうやら6階に相当するようです。多くの建物にエレベーターやエスカレーターなどが設置されている昨今、6階まで階段で上がるような機会はあまり無いかと思いますので、入浴前に思いがけず良い運動ができちゃいました。
脱衣室はコンパクトながらロッカーが設置されています。ただし100円有料です。




自分の足で6階の高さまで登ってきた甲斐がありました。お風呂は内湯ですが、川と温泉街と一望する素晴らしい眺めが得られます。
眺めの良い窓に面して設けられている湯船は4~5人サイズ。最近改修したのか、浴槽は比較的新しい木材で囲われており、やや無機質な室内に視覚的なぬくもりをもたらしていました。
一方、窓とは反対側(山側)には洗い場が配置され、シャワーが3つか4つが取り付けられています(記憶が曖昧で申し訳ございません)。


湯口から滔々と注がれるお湯は無色透明ですが、硫黄泉によく見られる湯の華が付着しており、流れに身を任せるようにユラユラと揺れていました。また湯船の中では大小さまざまな大きさの白い湯の花が浮遊していました。
湯口のお湯を口に含んでみますと、微かな塩味とともに、マイルドなタマゴ感、そしてゴムテニスボールのような硫黄風味が感じられました。トロミのある湯船に浸かると、ツルスベとキシキシという相反する浴感が拮抗して肌に伝わってきました。なお湯使いはかけ流しです。

まるで天守閣のような高楼のお風呂から温泉街を見下ろすと、ちょっとした殿様気分になれました。そんなユニークな構造をしたこちらのお宿は、ワンちゃんと泊まれるお宿でもありますから、ペットと一緒に旅をする方々にとっても貴重な存在です。
豪雨被害に見舞われ大変お気の毒ですが、一日も早い営業再開を祈っております。


源泉名:合資会社成天閣
含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉 62.8℃ pH7.5 湧出量測定せず(自然湧出) 溶存物質1.059g/kg 成分総計1.059g/kg
Na+:253.0mg(85.47mval%), Ca++:21.8mg,
Cl-:267.3mg(57.69mval%), HS-:0.5mg, S2O3--:3.8mg, SO4--:77.4mg, HCO3-:211.5mg(26.55,mval%),
H2SiO:177.3mg, H2S:0.2mg,
(平成26年12月24日)

大分県日田市天瀬町湯山1138
0973-57-2317
ホームページ

2020年10月27日現在 臨時休業中

私の好み:★★+0.5

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