温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

筋湯温泉 薬師湯

2014年09月29日 | 大分県
 
前回前々回に引き続き、筋湯温泉の共同浴場を巡ってまいります。当地に4つある共同浴場のうち、「岩ん湯」と「薬師湯」は男女日替わり制となっており、当地で一泊した晩は「岩ん湯」が男湯で「薬師湯」が女湯だったので、夜は「岩ん湯」に入り(前回記事を参照)、翌朝は口開けのお風呂を狙って7時に「薬師湯」へと向かいました。浴衣を着て下駄を鳴らしながら、いかにも日本の温泉街らしい細い裏路地を歩いて行くと、薬師堂の石段手前の右側に、焦げ茶色に塗られた木造の湯屋が佇んでいました。湯屋前に立つ札で、男湯であることを確認します。


 
建物の隙間に入って奥へ進み、湯屋へ入ります。他の共同浴場と同様に無人ですから、各自で料金箱に湯銭を投入しますが、この時の私のように当地の旅館に宿泊している客は無料で利用可能です。


 
朝一番に赴いた甲斐があり、先客がいなかったどころか、床が完全に乾ききっていました。正真正銘、一番風呂ですね。伝統的な湯屋建築であり、脱衣ゾーンと入浴ゾーンが一体になっています。外観同様に室内の壁板も焦げ茶色に塗られており、窓から透ける路地裏の淡い光と、天井からぶら下がる電球1個が、室内にぼんやりとした明かりをもたらし、その微妙な薄暗さが心地よい落ち着きを入浴客に与えてくれます。脱衣棚にはプラ籠がたくさん用意されていました。


 
入浴ゾーンは脱衣ゾーンより一段低い位置にセッティングされており、中央に長方形の浴槽が据えられ、その周りの床には板がスノコ状に並べられています。私の目測で浴槽は1.8m×4m弱といったところ、大凡5~6人サイズで、縁や側面には白木が用いられ、底に敷かれた石材は黒光りしており、とても美しく重厚感のある輝きを放っていました。
脱衣ゾーン側から突き出ている湯口よりお湯が注がれ、その点対称にあたる位置の切り欠けから排湯されています。そして私が湯船に入ると、ザバーっと音を立てて溢れ出て、スノコの隙間から流下してゆきました。
お湯は無色透明でほぼ無味無臭、癖のないあっさりとしたマイルドな肌触りでして、朝一番の体を優しく目覚めさせてくれました。館内表示によれば加水されているとのこと。私が入った時の湯口は43~4℃、湯船は41~2℃でして、、熱いお風呂が苦手な方でもスンナリ入れる絶妙な湯加減となっていました。なお、分析表を見ますと源泉の湧出地が「九重町大字湯坪字八丁原601」と記されており、この地番は八丁原地熱発電所の敷地内ですから、発電所内にある源泉からお湯を引いているのでしょう。


薬師湯
単純温泉 47.0℃ pH7.4 溶存物質0.783g/kg 成分総計0.809g/kg
Na+:209.0mg(87.65mval%), Ca++:5.3mg(2.55mval%),
Cl-:304.0mg(81.77mval%), Br-:0.9mg, SO4--:68.4mg(13.58mval%), HCO3-:28.1mg(4.39mval%),
H2SiO3:116.0mg, CO2:26.0mg,

JR久大本線・豊後森駅もしくは豊後中村駅より日田バスの牧ノ戸峠行か九重登山口行で「筋湯」バス停下車
(※大将軍経由のバスは筋湯を通らないので注意)
大分県玖珠郡九重町湯坪 地図
筋湯温泉観光協会ホームページ
(※湯屋周りに駐車場はありませんが、県道40線沿いに立寄客専用の駐車場が用意されています)

7:00~22:00 男女日替わり制
300円(筋湯温泉の旅館の宿泊客は無料)
備品類なし

私の好み:★★★

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