温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

福岡県 大川温泉 家族風呂

2024年05月11日 | 福岡県

(2023年3月訪問)
今回記事から九州の温泉を連続して取り上げます。まずは箪笥の街として有名な福岡県大川市にある「大川温泉」です。ひたすら真っ平らで水路が縦横無尽に張り巡らされている筑後平野に位置しています。


木造倉庫みたいな外観の建物が幾棟か並んでおり、その前にある駐車場に車を停めます。南国ムードを演出したいのか、敷地内にはヤシの木がたくさん植えられています。


建物の内部は手作り感があふれており、ややB級感が強いように思われます。


店員さんはみなアロハシャツを着ていらっしゃいます。やはりこの施設では南国ムードがテーマになっているのでしょうね。
受付に設置されている券売機で料金を支払うのですが・・・


受付のスタッフさんに家族風呂の空き状況を伺ったところ、6室ある家族風呂のうち半分が空いていたので、ひと部屋を私一人で使わせてもらいました。入浴券(700円)と家族風呂利用券(1000円)を買ってスタッフさんに差し出すと、お部屋の木の札と利用に関する注意書き、そしてエアコンのリモコンが入っている籠が引き換えに手渡されました。


今回私が利用するお部屋の番号は4番「屋久杉風呂」。


鍵を開けて中に入ってみますと、更衣スペースにはエアコン、トイレ、ドライヤーが用意されており、お部屋自体もそこそこ広いので、2~3人程度なら快適に利用できるでしょう。


風呂の戸を開けると、室内に充満する温泉の芳しい匂いがプンと香ってきました。施設側ではこちらの温泉をモール泉と称しているようですが、私個人の感覚ですと、少なくとも嗅覚面ではモール臭というよりどちらかと言えばアブラ臭に近いように思われます。


浴室内にはシャワーがひとつあり、水栓を開けると源泉のお湯が出てきました。


浴槽は1人で入るとゆったり、2人でちょっときついか、といった程度の大きさ。麦茶色とは異なる淡い茶色を帯びた、薄いコーヒーのような色をした透明のお湯が張られています。


投入口のお湯を口に含んでみますと、アブラ臭を伴う重曹泉にありがちな風味や清涼感を伴うほろ苦さが感じられ、湯中ではツルツルスベスベの滑らかな浴感が得られました。たしかにモール泉と言われればモール泉なのでしょうけど、同じく九州のモール泉で有名な人吉盆地や加久藤盆地のお湯とはちょっと異なります。


興味深いのは加水するための冷泉です。お湯が熱い場合はこれで加水するのですが、水道水ではなく冷鉱泉を加えるのが良いところ。この冷鉱泉、水栓を開けて間もなくは金気が強くて驚きました。しばらく出しているうちにその金気は徐々に減っていったので、もしかしたら配管の錆かもしれませんが、それでも金気は少し残っていましたので、鉱泉にも金気が含まれているのかもしれません。またこの冷鉱泉は、とても泡立っている上に、淡いタマゴ風味を有する点も面白く、近いエリアの他の温泉で例えるならば、筑後川温泉のお湯に金気を混ぜたような不思議な感じがしました。
冷たいといっても25℃くらいですから、夏に水風呂にしたら最高に気持ち良さそうです。

今回は大浴場を利用していませんので、内湯や露天風呂の様子はお伝えできませんが、良いお湯であることに違いはありません。家族風呂を利用した今回は完全かけ流し状態の芳しい温泉を独り占めできましたが、次回利用する機会があれば、大きなお風呂に入って、改めてこの個性的な温泉を堪能してみたいと思います。


ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉 45.8℃ pH7.7 374L/min(動力揚湯) 溶存物質1.47g/kg 成分総計1.51g/kg
Na+:350mg(88.59mval%),
Cl-:150mg(24.72mval%), HCO3-:780mg(74.69mval%),
H2SiO3:120mg, CO2:32mg,

福岡県大川市中八院241-1
0944-88-0026
ホームページ

10:00~22:00(受付終了21:30(家族風呂は21:00)) 
第2・第4火曜定休(ただし祝日及び26日は営業)
700円(家族風呂は別途1000円)

私の好み:★★★
コメント (2)
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