温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

小安峡温泉 元湯共同浴場「山神の湯」 2017年再訪

2018年04月10日 | 秋田県
 
秋田県小安峡温泉の知る人ぞ知る共同浴場「山神の湯」。拙ブログでは9年前に取り上げたことがありますが(以前の記事はこちら)、昨年(2017年)の某日、久しぶりに再訪してみることにしました。
某温泉宿の脇から伸びる小径を歩いてゆくと、その路傍に手書きの看板が立てかけられており、そこには共同浴場の利用者に向けたメッセージが書かれています。浴場を利用する場合は指定の民家へ200円を支払ってね、そして入浴は40分以内でお願いしますね、とのこと。この看板に従い、まずは民家で湯銭を納めます。なお、支払いを受け付けている民家は、軒先にその旨を記した札が括りつけられています。


 
湯銭を支払った後、小径の一番奥に建つ湯小屋へと向かいます。久しぶりの再訪ですが、外観は前回訪問時と全く変わっていませんでした。近年は入浴施設の廃止が相次いでいますから、このように変わらぬ姿で再会できると、大袈裟かもしれませんが、心の底から安堵してしまいます。


 
引き戸を開けて更衣室へ。棚などが用意されているだけの至ってシンプルな室内です。この度再訪して初めて気づいたのですが、この湯屋の更衣室は、男性用の方が圧倒的に広く、更衣スペースの3分の2が男性用で占められているようです。



更衣室は男女別ですが、お風呂は1つ、つまり混浴です。とはいえ、さすがに混浴はハードルが高い。実際に私が入ろうとすると、先に地元のお婆様が2人入っていらっしゃったのですが、外来者である私の気配に気づくと、お二人ともお風呂から上がり、私に浴室を譲ってくださいました。「お寛ぎのところを大変恐縮です」と厚意に感謝しながら、ありがたく湯浴みさせていただくことに。



浴室の様子も以前と全く同じ。透明なポリカ波板の天井から陽光が降り注いで明るい室内には、モルタルで造られた浴槽がひとつ据えられています。1.5m×2mの3人サイズで、木材を多用することにより無機的な質感を極力打ち消す配慮がなされています。集落住民のための無人共同浴場ですから、シャワー等の設備はありません。備え付けの桶で湯船から直接お湯を汲んで掛け湯することになります。なお、後述する加水用水道管でしたら洗い場の方へ分岐されていますので、そこのバルブを開けば洗い場で冷水を使うことができます。


 
湯口の様子も以前のまま。外からやってくる温泉のパイプには非常に熱いお湯が流れているのですが、このお湯が浴槽上の小さな枡に一旦落とされ、そこで源泉のお湯とほぼ同量の冷たい水と混ざることによって、ちょうどよい湯加減となって浴槽へ供給されます。投入量が多いため、浴槽のお湯はふんだんにオーバーフローしており、湯船のお湯はとてもクリアでフレッシュです。

お湯は無色透明で、湯口にて僅かな塩味とタマゴ感(味と匂い)が得られ、ゴムボールのような硫黄感も少々伝わってきました。湯中で肌を擦ると少々の引っかかりがあるものの、基本的には弱いサラサラで癖のない優しい浴感です。とにかくここのお湯は鮮度感が素晴らしく、小さくて実用的なお風呂でありながらいつまでも入っていたくなり、あっと言う間に40分が経ってしまいました。素敵なお風呂を守って下さる地元の方に感謝。いつまでもこのお風呂に入れることを祈っています。


温泉分析書掲示なし

秋田県湯沢市皆瀬
地元の方用のお風呂であることを考慮してここでは地図の掲載を控えます。

入浴可能時間:20:00まで(OPEN時間は不明。常識の範囲内で)
200円

私の好み:★★★


コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする