温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

草津温泉 煮川の湯

2018年01月28日 | 群馬県

前回記事で取り上げた「ペンションはぎわら」に泊まった晩、夕ご飯を摂るべく温泉街へ繰り出したついでに、外湯をハシゴしました。外湯巡りといえば草津温泉の楽しみのひとつですよね。今回は巡ることに専念したため、その全てを記録したわけではないのですが、大滝乃湯の近くにある「煮川の湯」だけ記録しましたので、今回記事で取り上げさせていただきます。拙ブログでは初登場ですが、私個人としては6年ぶりの再訪です。総木造で小ぢんまりろし造りの浴舎は、いかにも草津の外湯らしい佇まいです。



脱衣室には荷物や衣類を置く棚の他、床に直置きする籠も用意されています。また、常に無人である草津温泉の外湯では、貴重品を備え付けの巾着袋に入れて袋ごと浴室へ持ち込み貴重品を自分で管理するスタイルがしばしば見受けられますが、こちらの浴場でも同様であり、室内にはそのための袋やフックが備え付けられていました。防犯上の観点なのか、脱衣室と浴室の間には小窓があり、相互で目視できるようになっていました。こうした造りは、草津温泉のみならず他の温泉地の外湯でも見られますね。



外観から想像できるように浴室もコンパクト。湯気が立ちこめる室内には、浴槽と水道の蛇口がそれぞれ一つずつあるだけで、とてもシンプルです。なお、総木造とはいえ、床や浴槽など草津の酸性泉が恒常的にかかる箇所は、モルタル塗の上で耐腐食塗装が施されています。



浴槽は4~5人サイズ。縁の切り欠けからは絶えずお湯が溢れ出ています。湯船のお湯はほぼ無色透明ですが、湯中では薄い黄色を帯びた微細な白い湯の華がたくさん浮遊していました。湯加減は(私の体感で)44~45℃でしたから、一般的なお風呂よりもちょっと熱めですね。でも強酸性のお湯らしいヌルヌル感を伴うツルスベ浴感ははっきりと肌に伝わりますし、何よりもこの熱さがお湯の個性と合っているのか、熱さが嫌味にならず、むしろ非常に心地よく感じるのです。良泉ならではの特徴なのかもしれません。


 
草津の外湯に引かれているお湯といえば、湯畑源泉か万代鉱源泉が一般的ですが、こちらは浴場名と同じ名前の煮川源泉です。お湯からは酸っぱい匂いが放たれ、口をキュッと収斂させる明礬的な酸味を有しているのですが、その酸味はレモンのようなフルーティーさがあり、(個人的な感覚ですが)草津温泉の他源泉と比べると酸味がややマイルドかもしれません。また、上述のようにお湯の熱さが心地よく、それでいて湯上がり後のサッパリ感と肌のサラサラ感も実に気持ち良いんです。草津温泉はこうしたあまり有名ではない源泉に入ってこそ、より深層にある面白さに触れることができるんですよね。


煮川源泉
酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉(硫化水素型) 45.0℃ pH2.1 湧出量測定せず(自然湧出) 溶存物質1.43g/kg 成分総計1.55g/kg
H+:7.95mval%(37.15mval%), Na+:47.7mg(9.77mval%), Mg++:30.5mg(11.82mval%), Ca++:62.8mg(14.7mval%), Fe++:18.4mg, Al+++:38.9mg(20.36mval%),
Cl-:263mg(34.57mval%), SO4--:576mg(55.85mval%), HSO4-:154mg, Br-:1.6mg,
H2SiO3:190mg, H2SO4:3.1mg, CO2:110mg, H2S:10.0mg,
(平成25年5月15日)
加温加水循環消毒なし

24時間開場(清掃時間は入浴不可)
備品類なし

私の好み:★★+0.5

コメント
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