2017年の某日、新潟県松之山温泉の「ひなの宿ちとせ」で一晩お世話になりました。以前拙ブログで日帰り入浴したことを取り上げたことがありますが、今回宿泊することで以前は利用できなかった貸切風呂にも入ってまいりました。今回記事から3回連続で、今回の宿泊やお風呂に関してご紹介させていただきます。
こちらのお宿では玄関で下足を脱ぐので、館内は素足で歩けるんですね。ラウンジも畳敷きですから、裸足で生活することに慣れている日本人には嬉しい造りです。ロビーやラウンジの裏手で清水を湛える池には黄色い魚が泳いでおり、小千谷に近い場所柄、錦鯉なのかと思いきや、良く見たらニジマスのアルビノでした。でも何匹ものアルビノを揃えるには大変なことだったでしょう。
さて、チェックインの手続き後は仲居さんに導かれて客室へ。この日通されたお部屋は3階の「頬白」という野鳥の名前が付けられた8畳の和室。温泉街の通りに面した明るく綺麗なお部屋で、部屋に付帯しているトイレと洗面台は使いやすいセパレートタイプ。テレビはもちろん、冷蔵庫やWifiも使え、大変便利で居心地の良いお部屋でした。
田舎の和をイメージしているのか、お部屋の広縁には掘りごたつが設けられていました。私が訪れたのは盛夏の頃でしたから火燵は使いませんでしたが、当地は豪雪地帯ですから、冬には窓外の雪を眺めながら火燵に入ってぬくぬくと寛ぎのひと時を過ごすのでしょうね。
今回は2食付のプランで予約しました。夕食・朝食ともに2階のお食事処でいただきます。各席は半個室のような造りになっていますので、他のお客さんを気にせず食事を楽しむことができました。
2食とも品数が多く、特に夕食はお腹が張り裂けそうになるほど鱈腹いただいちゃいました。夕食で提供された品を簡単に列挙しますと、前菜・山菜の小鉢・えだまめ・お造り(美雪マス・ひらめ・ホタテ)・酢の物(じゅんさいと出雲崎のもずく)・鯉こく・揚げ物(野菜や揚げ真丈)・煮物(わらびとニシン)・湯治豚・棚田鍋・水菓子、といったラインナップでした。湯治豚とは、温泉に長湯している小太りの私の事ではなく、地豚「越の紅」を68℃の源泉によって低温調理したもので、これが実にうまい。また、棚田鍋とは、松之山の美観である棚田に因んだネーミングであり、地鶏のつくね・ごぼう・キノコ・セリ・おこげなど山の幸が陶器のお鍋の中に詰め込まれていました。これも非常に美味。そして松之山が属する魚沼地域は全国屈指の米どころ。夕食に提供されるお米はご当地松之山の棚田で栽培されたコシヒカリであり、これが実にうまかった!
一方、朝食は白米に合うお宿の常備菜6品と温泉卵付きサラダ・納豆・ヤスダヨーグルトなどといった内容。魚沼のコシヒカリという全国的に有名なお米の存在感が際立つような献立になっており、主役脇役の関係がしっかりしているため、ご飯が実によく進みました。
このお櫃で白く輝いていたのは、十日町産のコシヒカリ。上述したように、私が宿泊したのは盛夏の頃ですから、お米の端境期、つまりお米の味が最も落ちる時期なのですが、にもかかわらずお櫃の中のお米は粒が立ち、ツヤツヤで、ふたを開けた時の香りが何とも言えず芳ばしく、噛みしめるほどに甘みと旨味が口の中に広がったのでした。実に素晴らしい。白いお米が主役になるお食事でした。
次回の記事では大浴場の様子を取り上げます。
次回記事に続く。