※2020年4月より休業中。
以前に拙ブログで秋田県五城目町の湯の越温泉が良かったというコメントを頂戴したことがありましたので、昨年の某日に「湯の越の宿」へ立ち寄り、日帰り入浴することにしました。集落の奥に佇むこの一軒宿は、山の斜面に沿って建てられており、整地された段々の土地の上に各施設が並んでいます。
宿の本棟へ向かう上り坂のアプローチの入口には、巨大なコンクリタンクと思しき構造物と、「湯の元」とかかれた犬小屋サイズの小屋が設置されていたのですが、これって文字通り源泉(そして貯湯タンク)なのかな。
玄関の下足場に置かれている小さな券売機で湯銭を支払い、帳場を回り込むような感じで右手に入って、館内の廊下を進みます。玄関ホールは木工品が多く、ウッディーでぬくもりのある美しい空間です。
館内の廊下はフローリング。廊下を進んで行くと、途中に休憩用のスペースが数ヶ所用意されており、私も湯上がりに自販機で冷たいドリンクを買い、切り株のような腰掛けに座って、ひと休みさせていただきました。なお座敷もありますが、別途利用料金を要するようです。
廊下の突き当たりに紺と紅の暖簾が掛かっていました。紺の暖簾を潜って脱衣室に入ると、広い室内には左右に棚と籠が備え付けられており、壁に取り付けられた扇風機がブンブン回っていました。室内にはお湯に関する説明が掲示されており、これによれば、こちらのお湯は地下600mから湧き出ている100%天然のイオウ温泉で、源泉温度は45.7℃ですが湯船では42~3℃に保たれており、小浴槽では38~9℃、お湯を沸かしたり追い炊きなどしない「清潔な流れ湯方式」である、とのこと。ほほぅ、お湯には自信をお持ちのようですね。では実際に浴場へ入ってお湯と対峙させていただきましょう。
天井が高くて広々としている浴室は、大きな窓から陽光が降り注いでいるため、明るく清々しくて開放感があります。窓の外には池や潅木などがあしらわれ、周囲の緑を借景にしており、全体的に日本庭園のような趣きです。また浴室内の床や側壁の腰部までには十和田石が採用されており、裸足で歩いた時の感触も良好です。入室した瞬間、イオウの湯の香がぷんと漂ってきました。思わずお湯に期待しちゃいます。
洗い場にはシャワー付きカランが6基取り付けられており、それらと並んでサウナや水風呂も設けられていました。この水風呂は、サウナに入らずとも、湯船で火照った体のクールダウンにも最適。実際に私もこの水風呂で体を冷やしましたが、めちゃくちゃ爽快でしたよ。
脱衣室に掲示されていた説明書きでも述べられていたように、浴槽は2つに分かれています。大きな窓の真下に堂々と構えている大きな浴槽は、(目測で)2m強×5mの四角形で、御影石と思しき石材で拵えられています。お湯は右奥にある湯口からチョロチョロと注がれている他、浴槽中央の底面から泡とともにボコッボコッとお湯が上がっていました。前者の湯口はあくまで装飾的なものであって、お湯投入の主役は後者が担っているものと思われます。
イオウのコロイドによってお湯に濁りがもたらされるため、その日のコンディションによって濁り方が異なるようですが、私が訪れた時、大きな湯船に張られているお湯の色は、メロンカルピスのような緑色掛かった白濁を呈していました。
大きな浴槽の左側には、2m強四方の小さな浴槽が据えられており、そのサイズは大体4~5人といったところ。お湯は全量が大きな浴槽から流れ込んでおり、切り欠けからお湯が排出されていました。湯尻であるため、大きな浴槽より温度が低く、しかも空気に触れている時間も長いためか白濁の度合いも強くなっており、グリーンを帯びていた大浴槽とは異なり、こちらのお湯は灰色に傾いた強い白濁となっていました。そして湯中では硫化物と思しき黒い破片がチラホラ浮遊していました。
湯面からは広い浴室内を充満させるほどの硫化水素臭が放たれており、その匂いを細かく分析してみますと、いわゆるタマゴ臭の他、弱いながらもツーンとくる火山ガス臭、そして鉱物油のような匂いがミックスされているように思われます。お湯を口に含むと、弱塩味、タマゴ味、ほろ苦み、そして甘味を伴う石膏味が感じられます。湯船の中ではツルツルスベスベの滑らかな浴感がはっきりと肌に伝わり、かなり印象的なフィーリングとして記憶に刻まれたのですが、分析書によれば炭酸イオンが48.9mgと結構多く含まれているので、これがツルスベ浴感にひと役買っているのかもしれません。そんな屁理屈はともかく、この界隈で白濁のイオウ湯は珍しいので、それだけでも十分に訪れる価値はあるかと思います。木のぬくもりに抱かれながら、ゆとりある空間でイオウの白濁湯に浸かることができる、とても素敵なお風呂でした。
松橋2号
含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉 35.1℃ pH7.6 溶存物質2.6735g/kg
Na+:874.2mg(97.24mval%),
Cl-:918.2mg(65.35mval%), Br-:2.8mg, I-:0.8mg, HS-:5.6mg, S2O3--:1.0mg, HCO3-:697.1mg(28.82mval%), CO3--:48.9mg,
H2SiO3:68.9mg, CO2:48.9mg, H2S:1.6mg,
(平成25年8月6日)
加温あり(入浴に適した温度を保つため、気温の低い期間のみ加温)
消毒あり(衛生管理のため、塩素系薬剤を使用)
秋田県南秋田郡五城目町内川浅見内後田125-5 地図
018-854-2683
ホームページ
※2020年4月より休業中。
日帰り入浴時間はホームページ等でご確認ください
400円
シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★
以前に拙ブログで秋田県五城目町の湯の越温泉が良かったというコメントを頂戴したことがありましたので、昨年の某日に「湯の越の宿」へ立ち寄り、日帰り入浴することにしました。集落の奥に佇むこの一軒宿は、山の斜面に沿って建てられており、整地された段々の土地の上に各施設が並んでいます。
宿の本棟へ向かう上り坂のアプローチの入口には、巨大なコンクリタンクと思しき構造物と、「湯の元」とかかれた犬小屋サイズの小屋が設置されていたのですが、これって文字通り源泉(そして貯湯タンク)なのかな。
玄関の下足場に置かれている小さな券売機で湯銭を支払い、帳場を回り込むような感じで右手に入って、館内の廊下を進みます。玄関ホールは木工品が多く、ウッディーでぬくもりのある美しい空間です。
館内の廊下はフローリング。廊下を進んで行くと、途中に休憩用のスペースが数ヶ所用意されており、私も湯上がりに自販機で冷たいドリンクを買い、切り株のような腰掛けに座って、ひと休みさせていただきました。なお座敷もありますが、別途利用料金を要するようです。
廊下の突き当たりに紺と紅の暖簾が掛かっていました。紺の暖簾を潜って脱衣室に入ると、広い室内には左右に棚と籠が備え付けられており、壁に取り付けられた扇風機がブンブン回っていました。室内にはお湯に関する説明が掲示されており、これによれば、こちらのお湯は地下600mから湧き出ている100%天然のイオウ温泉で、源泉温度は45.7℃ですが湯船では42~3℃に保たれており、小浴槽では38~9℃、お湯を沸かしたり追い炊きなどしない「清潔な流れ湯方式」である、とのこと。ほほぅ、お湯には自信をお持ちのようですね。では実際に浴場へ入ってお湯と対峙させていただきましょう。
天井が高くて広々としている浴室は、大きな窓から陽光が降り注いでいるため、明るく清々しくて開放感があります。窓の外には池や潅木などがあしらわれ、周囲の緑を借景にしており、全体的に日本庭園のような趣きです。また浴室内の床や側壁の腰部までには十和田石が採用されており、裸足で歩いた時の感触も良好です。入室した瞬間、イオウの湯の香がぷんと漂ってきました。思わずお湯に期待しちゃいます。
洗い場にはシャワー付きカランが6基取り付けられており、それらと並んでサウナや水風呂も設けられていました。この水風呂は、サウナに入らずとも、湯船で火照った体のクールダウンにも最適。実際に私もこの水風呂で体を冷やしましたが、めちゃくちゃ爽快でしたよ。
脱衣室に掲示されていた説明書きでも述べられていたように、浴槽は2つに分かれています。大きな窓の真下に堂々と構えている大きな浴槽は、(目測で)2m強×5mの四角形で、御影石と思しき石材で拵えられています。お湯は右奥にある湯口からチョロチョロと注がれている他、浴槽中央の底面から泡とともにボコッボコッとお湯が上がっていました。前者の湯口はあくまで装飾的なものであって、お湯投入の主役は後者が担っているものと思われます。
イオウのコロイドによってお湯に濁りがもたらされるため、その日のコンディションによって濁り方が異なるようですが、私が訪れた時、大きな湯船に張られているお湯の色は、メロンカルピスのような緑色掛かった白濁を呈していました。
大きな浴槽の左側には、2m強四方の小さな浴槽が据えられており、そのサイズは大体4~5人といったところ。お湯は全量が大きな浴槽から流れ込んでおり、切り欠けからお湯が排出されていました。湯尻であるため、大きな浴槽より温度が低く、しかも空気に触れている時間も長いためか白濁の度合いも強くなっており、グリーンを帯びていた大浴槽とは異なり、こちらのお湯は灰色に傾いた強い白濁となっていました。そして湯中では硫化物と思しき黒い破片がチラホラ浮遊していました。
湯面からは広い浴室内を充満させるほどの硫化水素臭が放たれており、その匂いを細かく分析してみますと、いわゆるタマゴ臭の他、弱いながらもツーンとくる火山ガス臭、そして鉱物油のような匂いがミックスされているように思われます。お湯を口に含むと、弱塩味、タマゴ味、ほろ苦み、そして甘味を伴う石膏味が感じられます。湯船の中ではツルツルスベスベの滑らかな浴感がはっきりと肌に伝わり、かなり印象的なフィーリングとして記憶に刻まれたのですが、分析書によれば炭酸イオンが48.9mgと結構多く含まれているので、これがツルスベ浴感にひと役買っているのかもしれません。そんな屁理屈はともかく、この界隈で白濁のイオウ湯は珍しいので、それだけでも十分に訪れる価値はあるかと思います。木のぬくもりに抱かれながら、ゆとりある空間でイオウの白濁湯に浸かることができる、とても素敵なお風呂でした。
松橋2号
含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉 35.1℃ pH7.6 溶存物質2.6735g/kg
Na+:874.2mg(97.24mval%),
Cl-:918.2mg(65.35mval%), Br-:2.8mg, I-:0.8mg, HS-:5.6mg, S2O3--:1.0mg, HCO3-:697.1mg(28.82mval%), CO3--:48.9mg,
H2SiO3:68.9mg, CO2:48.9mg, H2S:1.6mg,
(平成25年8月6日)
加温あり(入浴に適した温度を保つため、気温の低い期間のみ加温)
消毒あり(衛生管理のため、塩素系薬剤を使用)
秋田県南秋田郡五城目町内川浅見内後田125-5 地図
018-854-2683
ホームページ
※2020年4月より休業中。
日帰り入浴時間はホームページ等でご確認ください
400円
シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★