温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

川湯温泉 川湯公衆浴場

2009年06月24日 | 北海道


硫黄山(アトサヌプリ)の麓に広がる川湯温泉は北海道東部の代表的な温泉地であり、かつ日本屈指の酸性度が高い温泉でもあります。川湯という地名の由来はアイヌ語の「セセキ(熱い)ペツ(川)」を意訳したもので、実際に温泉街の中を高温の温泉川が流れています。アサトヌプリは現在も火山活動を続けており、その活動によってもたらされているのが川湯温泉であります。

ビル建築の旅館・ホテルが建ち並ぶ温泉街の中央に郵便局がありますが、その並びに今回紹介する公衆浴場があります。外見はかなり草臥れており、内部もやはり古びているのですが、地元の人々から愛されているようで常に客足は絶えません。浴槽は二つに分かれており、左は熱め、右はぬるめという設定になっていました。洗い場や浴槽のタイルが部分的にはげており、特にぬるめの浴槽でそれが目立つのですが、これも古い浴場ならではの味わい深さでしょう。

無色透明で硫化水素臭のするお湯を口にしてみると、まるで濃縮した梅干の汁を飲んだかのように口が収斂するとても強い酸味、そして塩味と金気を感じました。この味は強烈です。湯口にコップが置いてあるのですが、とてもゴクゴク飲めるものではありません。チビチビ飲んでも口が窄まります。さすが北海道で一番といわれる酸性を誇るだけあります。傷や指のさかむけなど、体でちょっとでも皮がめくれているところがあれば忽ち滲みて痛みを感じることでしょう。一方で、強酸性ゆえに水虫など菌による感染症や湿疹などの慢性皮膚病には効果覿面です。

ここを含め川湯温泉はどの施設でも源泉掛け流しなのですが、これは湯量が豊富で循環する必要がないという理由の他、循環しようにも酸性度が高すぎて機器が壊れてしまうため掛け流しにするほかないという事情もあるようです。各ホテルでも日帰り入浴を受け付けていますが、温泉ファンならコイン2枚でパワーのあるお湯を手軽に堪能できる「川湯公衆浴場」に是非入っていただきたいものです。




「体にヨクキクヨ!!」というコピーが誇らしげな張り紙


道路を挟んだ向かい側にある足湯


酸性・含鉄(Ⅱ)・硫黄-ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉(硫化水素型)
44.2℃ pH1.8 156ℓ/min(自噴) 成分総計4.134g/kg

北海道川上郡弟子屈町川湯温泉 地図
01548-3-2043
9:00~20:00(11月~4月)、8:00~20:00(5月〜8月)、水曜定休(8月無休)
200円
250円
(営業時間および料金の記載については2019年5月に訂正しました)

私の好み:★★★
コメント (2)
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