温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

三瓶温泉 亀の湯

2009年06月20日 | 島根県


高原の風が爽快な島根県・三瓶山の南麓に位置する三瓶温泉郷は、温泉郷とはいえひっそりとした小規模なもので、共同浴場の「志学薬師湯(鶴の湯)」を中心に数軒の旅館や民宿があるばかりですが、そのこじんまりとした温泉街から外れてS字の坂を下り志学集落に入ると、もうひとつの共同浴場「亀の湯」があります。「志学薬師湯」は温泉街の中央に立地しているので、地元の方のみならず観光客も訪問しやすいのですが、一方で「亀の湯」は温泉街から完全に外れていているため、地元の人以外に知られることはないでしょう。

当初私は「志学薬師湯」に入ろうと思っていたのですが、現地に着いたのはお昼過ぎでここは夕方から営業とのことでしたので、第二候補であった「亀の湯」を訪れました。「亀の湯」も正式には夕方からなのですが、営業前は施錠されている「志学薬師湯」と違ってこちらは正式営業前にも入ることが出来るのです。どういうことかというと、三瓶温泉は源泉温度が37℃であり使用位置では33℃まで下がってしまうため、加熱しないと浴用には適さないのですが、ここ最近の原油価格高騰によってボイラーの燃料代も上がってしまったため、経費削減の苦肉の策として加熱時間を(「志学薬師湯」の場合は営業時間そのものを)夕方からにしたようなのです。その旨が書かれた紙が入口に貼られていていました。よって「亀の湯」は夕方以前に入ると加熱されていないぬるいお湯に入ることになるのですが、入湯そのものが禁止されているわけではないので、ぬるくてよければ加熱時間前でも入って構わないようです。

私が訪問した時間は加熱時間前だったので、どれだけぬるいものか恐る恐る掛け湯をしてみたら、思いのほかそんなにぬるく感じず、湯船に足を入れてみても確かにぬるいが決して冷たくはなく温かい方だったので、そのまま全身浸かってみました。小判型の湯船には塩ビの太いパイプから次々と源泉そのままのお湯がドバドバ注がれ、のみならず湯船の中央に立ち上がった湯口からもお湯が供給され、ダブルの湯口から投入されたお湯は絶え間なく贅沢にザバザバと掛け流されていました。
黄金色に濁ったお湯は弱い塩味と金気味を帯びており、色から想像できるように微かに金気臭と土臭が感じられます。営業時間前なのでお客さんは誰もおらず、新鮮なお湯をひたすら独り占め。目の前で凄まじい量のお湯が注がれている様を眺めているだけで何とも贅沢な気分です。そればかりか、ぬるいにもかかわらず炭酸ガスの影響か湯上り後も体がポカポカするのです。これぞ自然の恵み、ありがたいものです。
マニア志向の施設ですが、お湯の良さは保証します。第二候補でしたがこちらに入って大正解。是非訪れてみてください。




頂点が盛り上がって大量に供給されるお湯


ナトリウム-塩化物泉
37.5℃ 成分総計2.44g/kg 

島根県大田市三瓶町志学ロ357-1 地図
0854-83-2537
(正面左手・裏手に駐車場有)

4月~10月:17:00~21:30
11月~3月:17:00~21:00
(いずれも加熱時間)
200円

私の好み:★★★
コメント (3)
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