<通算300勝>
・金精山 あと9勝(現在291勝)
<通算900出場>
・玉椿 あと3回(現在897回)
<幕内通算600勝>
・玉椿 あと6勝(現在594勝)
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― 金精山関が通算300勝目前ですね。
(玉椿) 「摩羅の川も雲虎も家満あたりの横綱経験者も達成してないからね。すごい記録だよ」
― 現在達成してるのは……、玉椿、毛呂乃、汚痔、蒼狼の4人ですか。
(玉椿) 「泥臭い雰囲気の力士が多いね。才能あふれる派手でスマートな力士は、さっさと引退しちまう傾向があるからね。長く土俵に上がってくれるのはコツコツ出場回数を重ねるタイプだよね」
― でも、毛呂乃関は才能タイプじゃないですか?
(玉椿) 「あいつは別格だよ」
― 玉椿関の通算900回出場の達成は今場所なんですね。1年90番でちょうど10年ですよね。もう達成してるものかと思ってました。
(玉椿) 「3日間の出場停止処分食らってるからね。それで達成が遅れたんだ」
ー ……へえ、立合いの乱れが理由ですか。
(玉椿) 「これな。今だから言うけど、見せしめだったんだよな。あのころ、やたら結果報告遅れがちなやつがいてさ。しばらく報告ためこんだあげくに『ここ数日全部勝ってました』で全勝したりしててさ。優勝争いとかの記事が書きにくくてしょうがなかったんだよ。まあ、そいつに処分下すのはちょっとかわいそうだけど、ちょっとプレッシャーかけとこうってんで、わしが重めの処分食らったんだよ。いわば、とばっちりだね」
― そんな裏話がありましたか。
(玉椿) 「報告が遅れるやつは優勝させないルールとかもその流れで作ったんだよね。萬海さんはそれで1回優勝を逃してるはずだよ」
― かわいそうに。
(玉椿) 「んでも、どっかで線引きはしないとさ。極端な話すればさ、いまになって「このまえの五月場所は全勝だったんですけど……」みたいな報告されても、そりゃカウントに入れるわけいかんだろ。
ー まあそうですね。
(玉椿) 「まあ、こまめに報告してくれってことだな」
― 幕内通算600勝も今場所達成ですか
(玉椿) 「わし、幕内付出でデビューしてるんだけど、最初の場所は1勝14敗って大負けして、2場所ほど十両に陥落してるからね。通算成績と幕内通算成績で、十両在位中の19勝11敗ぶんだけ、ずれてるんだよ」
― なるほど。
(玉椿) 「十両で相撲をとるのはたのしかったね。入門したてでまらずもうの戦い方もわかってなかった時期だから、すべてが手探りでね。寝る前の過ごし方とか、起きるタイミングの測り方とか、わしの力士としての基礎はこの十両時代についたんだよ」
― いい修行になった、と。
(玉椿) 「あと、何勝すれば幕内に復帰できるのか、ぜんぜん予想できなくてさ。目標が立てにくくて困ったよ」
― けっきょく西十両3枚目の10勝5敗で幕内復帰してますね
(玉椿) 「これはだいぶラッキーだったよ。ふつうの場所なら、もう一場所十両でがんばって、って感じの成績だよね」
― ぜんぶ今場所に達成されそうな数字ですね。
(玉椿) 「どうだろうね? 金精山の9勝と、わしの3出場はいけるだろうけど、わし6勝もできるかな? 七月は夜勤シフトで睡眠時間荒れるから、きょねんも3勝12敗だったしさ」
― いや、大関なんですから6勝くらいはしてくださいよ
(玉椿) 「まあがんばるけどさ」